薬剤師の仕事内容は?



6年間薬学部での勉強や実習を行い国家試験に合格して、厚生労働大臣から国家資格免許を与えられる薬剤師は、薬についてあらゆることを学んでいるエキスパートです。医薬品を扱うところには必ず薬剤師が存在し、その就職先も多岐に渡ります。

主な勤務先となる薬局や病院での薬剤師の仕事内容をはじめ、ドラッグストアやそのほか様々な職場ごとに、その仕事内容を紹介します。


薬局・病院薬剤師に共通する仕事



調剤を行う薬剤師の職場として、調剤薬局(ドラッグストア併設もあり)、そして院内処方・調剤を行う総合病院や大学病院があります。

これらの職場に共通する仕事として、医師の処方箋に基づき調剤を行い、その薬を患者さんに服薬指導を行いつつ手渡すという業務がありますが、それ以外に共通する重要な業務が3つ挙げられます。

薬歴の管理

患者さんが今現在どの薬を服用しているのか、これまでにどんな薬を飲んできたのか、アレルギー反応を起こしたことはあるかといった「薬歴」の情報は調剤に欠かせず、これを管理するのは薬剤師の仕事です。

医薬品同士、もしくは医薬品と食品の飲み合わせによって薬効が過剰になったり、逆に打ち消されてしまうことがあります。また複数の薬局から同じ薬効の薬を処方されているケースもあります。


このような事態を防ぎ、医薬品の安全性・有効性を確保するために、薬歴データが活用が欠かせません。

院内の処方であれば、薬歴データだけでなくカルテを参照したり、患者さんと直接話をして薬歴を確認することができますし、調剤薬局でも患者さんに直接質問・確認することが可能です。

薬歴は患者さんの個人情報であり、決して他者に見られるようなことの無いよう厳重に管理することもまた、薬剤師の大切な仕事のひとつです。

調剤リスクのマネジメント

医師の処方箋と違う薬を出してしまう、誤った用法や用量を記載、指示してしまうといった過失は「調剤過誤」と呼ばれます。医療用医薬品には強い薬効があり、間違って飲めば健康が損なわれてしまう可能性が高いため、薬剤師は調剤過誤の予防・対策に努めなければなりません。

調剤過誤のリスクを減らすため、個々の薬剤師が責任を持つのはもちろんのこと、別の薬剤師によるダブルチェック(監査)が行われるようになっており、この監査に特化した業務を行うこともあります。

疑義照会

先の調剤過誤は、薬剤師だけによって引き起こされるものではありません。医師が処方を誤る可能性がないわけではなく、また処方箋の記載漏れ、記載ミスや読みにくい文字によって、処方できなかったり、別の薬が処方されてしまうリスクがあります。

処方箋に疑問を感じたり重複投与や副作用が疑われるような場合には、必ず医師への内容確認を行う必要があり、これを「疑義照会」と呼びます。

思い込みや個人の判断での調剤は危険であり、患者さんへの正確な処方のためには少しの疑義も見逃すことはできません。疑義照会を行った場合、後で確認できるように薬歴に照会内容を記録します。


薬局薬剤師の仕事



上記のような調剤薬剤師に共通する仕事のほか、近年行政においても推進されつつあるセルフメディケーションのサポートは、調剤薬局での大切な業務のひとつです。医療用医薬品のほか、症状に合った一般用医薬品や健康食品について患者さんの相談に応じます。

薬局の経営方針によって、漢方薬の提案・提供や禁煙のサポート、在宅介護支援サービスの提供、運動選手のドーピング可否に関しての相談対応など、より専門的な分野でのサービスを行う薬剤師もいます。


薬局の多くは、調剤を行う薬剤部門と、調剤薬局事務を行う事務部門とに分かれています。通常、調剤薬局事務は薬剤師とは別に雇用された事務スタッフが行いますが、小さな薬局などでは薬剤師が事務業務を行う場合もあります。

調剤薬局事務の仕事は、調剤・服薬指導以外の業務全般です。来局した患者さんが初診の場合には、記入してもらったアンケート内容を顧客データとして入力します。膨大な量となる顧客データを管理し、再来の際にデータで薬歴を確認したり、保険証内容の変更などに対応します。


薬の処方内容は調剤録に入力し、処方箋とともに定められた一定期間保管しなければなりません。薬剤師の服薬指導と並行して事務スタッフが薬歴簿を作成するなど、コンピューター操作のスキルが求められます。

個々の健康保険に対応した患者さんへの自己負担金の請求、お金のやり取りとともに、調剤薬局の事務業務のなかで最も重要な業務が、レセプト処理です。


厚生労働省の定める調剤報酬点数表に沿って、処方ひとつひとつについて調剤点数を算出しレセプトを作成します。これを月に1回まとめて、国保連合会や支払基金に提出する業務であり、専門知識と正確性が求められる仕事です。

そのほか電話応対や清掃、書類整理や薬の整理、補充などの細かな仕事もあります。


病院薬剤師の仕事



病院薬剤師の職場は医療現場により近く、専門的な仕事が多くなります。調剤薬局同様の外来患者への処方のほか、院内で使用される薬を調剤するのが「院内製剤」です。治療ニーズに応じた製剤をすることで、患者さんの治療効果、QOLを高めます。

内服剤のほか注射剤の調剤も多くなります。注射剤は、血管内に直接投与され効果が強いうえ、急性期に使用される場合には処方内容が細かく変動することもあり、取扱いに細心の注意が必要です。


検査値、年齢、体重、発熱状況や食事状況などを考慮し、配合禁忌や投与量、投与速度・期間など、必要に応じて医師に確認しながら薬剤が安全に使用されるように努めます。配合禁忌や相互作用のチェックにはコンピューターが使用されたり、調剤ロボット(アンプルピッカー)を利用する病院もあります。

点滴のなかに注射薬を混ぜて調製したり、がん治療に使用する注射薬の製剤もあります。細菌汚染を防ぐキャビネットの使用や、薬剤師が抗がん剤に曝露しないよう専用のキャビネットや防護衣を用いたりします。


日本の病院でもチーム医療制度が促進されつつあり、薬剤師、医師や看護師、管理栄養士などのスタッフとともに、より患者さんに近い立場で働く場合があります。

緩和ケアチームのほか、感染管理、栄養管理、褥瘡管理といったチームの一員として、他スタッフとコミュニケーションを密にとり、意見を交わしあいながら薬剤師としてのスキルを活かして、よりよい医療の提供に努めます。


緊急で集中治療が行われる救命救急でも、必要な薬剤や注射剤をスピーディーに調整する薬剤師の存在は欠かせません。新薬の臨床試験が行われる際に、治験チームの一員として支援や薬剤管理を行う仕事もあります。

あらゆるシーンで医薬品が使用される病院内では、専門性高く多岐に渡る薬剤師の仕事があります。夜勤があり、一人当たりの薬剤師が担当する患者数が多いのも特徴です。


ドラッグストア薬剤師の仕事内容



ドラッグストアチェーンの躍進、店舗数増加とともに、雇用される薬剤師数も増加しています。ドラッグストアでの薬剤師は、店長として雇用されるケースが多くなります。

薬剤師として購入者の相談に応じ、症状に合う薬を提案したり、医薬品販売時に必要な説明を行います。調剤室を併設するドラッグストアでは、調剤、服薬指導、薬歴管理といった薬剤師業務があります。

店舗スタッフとして販売、接客を行うほか、品出し、清掃、ポップ作成、店長業務としてはスタッフの採用や勤務シフトの作成、売上・コスト管理、在庫管理や棚卸、発注、クレーム対応まで、営業に関わるほとんど全ての業務を行うこととなります。

薬剤師として一般用医薬品に精通している必要はもちろんのこと、多岐に渡る業務を効率よくこなしていくスキルも必要になるでしょう。


その他勤務先での薬剤師の仕事



求人数は調剤薬局や院内薬局、ドラッグストアなどより少なくなりますが、他にも様々な薬剤師の勤務先があり、それぞれに仕事が存在します。

製薬会社、化粧品メーカー

製薬会社では、医薬品の研究開発や品質管理、新薬の治験をトータルに管理する治験コーディネーター(CRC)、医薬品情報を収集管理し、医療関係者に適切に情報提供していくMRといった仕事があります。

それぞれに薬剤師としての専門知識を生かせる仕事です。化粧品の商品開発にも薬剤師が携わっており、求人先のひとつとなっています。

医薬品卸売会社

薬問屋である卸売会社で、病院や薬局などへ医薬品を販売するほか、関連情報の提供、問合せ対応、薬の保管管理などを行う薬剤師の仕事があります。

行政機関

公務員薬剤師として各都道府県庁に勤務する場合、薬務課で薬局の開設許可や医薬品製造業の許可、立ち入り検査、監査などを行います。毒物、劇物を管理したり、事件や事故を防止するための仕事があります。

保険福祉センターなどの施設で保険薬剤師として勤務し、環境衛生や食品衛生を管理する仕事のほか、医薬品検査を行う衛生研究所・消費生活センターなどが勤務先となります。麻薬取締官、自衛隊薬務官もまた薬剤師の仕事です。

教育機関

小中学校、高校における学校保健の仕事があります。具体的には、校舎内の衛生管理、プールや水道の水質検査、教室内の環境点検(照明の明るさや温度、湿度など)、騒音検査などを行い、結果に合わせた指導をします。生徒を対象にした薬物乱用防止やアルコール防止などの啓蒙活動も、薬剤師の仕事のひとつです。

<薬剤師の仕事内容は?・まとめ>

  • 薬局や病院の調剤薬剤師は、薬歴管理や疑義照会、リスクマネジメントが重要
  • 調剤薬局ではセルフメディケーションのサポートも大切な仕事
  • 薬剤師が調剤薬局事務を行うところや専門性の高いサポートも
  • 病院内ではより専門的で多様な薬剤師の仕事がある
  • 製薬会社や卸売り、行政でも薬剤師が必要とされる職場がある

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