薬剤師の配置基準とは?



病院や調剤薬局では医療法に基づき、有資格者等の人員配置が定められています。一般病院の病棟に必要な人員は患者16人に対し医師1人、患者3人に対し看護師3人、患者70人に対し薬剤師1人です。

このように施設規模や条件に対し、配置すべき有資格者の職種や人数を標準的に定めた基準を「配置基準」といいます。上記の例以外にも薬剤師の配置基準は細かく定められています。

薬剤師の配置基準を知ると職場の人員構成や、転職のための求人傾向が見えてくるはずです。


配置基準って何?



配置基準とは「人員配置基準」の略称で、さまざまな事業所でどのような人員をどのくらい配置すべきかを定めた標準の数値です。

病院に配置すべき医師や看護師、薬剤師数だけでなく、保育士や介護士、福祉施設の管理者、消防士、バスの運転手、交通警備の誘導員など数多くの職場・職種についての配置基準が定められています。

配置基準の法律と施行令

人員に関する配置基準は、職種等によって各々に法律や施行令が制定されています。例えば養護老人ホームの配置基準は老人福祉法、老人福祉施設の場合は介護保険法です。さらに、その法律に関する施行令が定められ、法律を施行するための具体的な細則が決められています。

基準に違反すると?

もし定められた人員配置基準に違反すると、不正を犯したとみなされて処分を受けることになります。処分内容は関連する法律によって異なり、介護施設などの事業所であれば勧告や事業者名の公表、指定取消、効力の停止などです。

人員の配置基準は法律や法令・省令で定められたもので、これを遵守することで事業所の運営が認められています。したがって定めを守らない場合、厳正な行政処分が下されるというわけです。


薬剤師の配置基準とは?



薬剤師の配置基準に関する法律と、具体的な配置基準数等について詳しく見ていきます。

配置基準の法律と規則

病院や調剤薬局に配置すべき薬剤師数は「医療法」という法律で定められています。医療施設での施行に関しては「医療法施行規則」という法令、調剤薬局では「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」に従わなくてはなりません。

・医療法とは
1948年(昭和23)に「医療を提供する体制の確保と国民の健康保持」を目的に公布された法律。病院やクリニックなど医療機関の開設・管理、医師などの医療資格について定めています。

・医療法施行規則とは
厚生労働省が医療法を運用するための細かい決まりを定めた法令です。1950年(昭和25)に公布されたものですが、1998年(平成10)に薬剤師の配置基準に関する改正が行なわれています。

・薬局等の配置基準の法令
正式名称「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」は、薬事法の規定に基づき、薬局および一般販売業に配置する薬剤師の員数を定める省令です。この省令は1964年(昭和39)に公布され、2014年(平成26)に改定されています。

病院・診療所の配置基準



病院や診療所(クリニック)等の医療施設の薬剤師人員配置基準(標準)は次のように定められています。

・一般病院
一般病床 患者70人:薬剤師1人
療養病床 患者150人:薬剤師1人
精神病床(総合病院、大学附属病院)
患者70人:薬剤師1人
精神病床(総合・大学附属病院を除く)
患者150人:薬剤師1人
感染症病床 患者70人:薬剤師1人
結核病床 患者70人:薬剤師1人
外来   処方箋75枚:薬剤師1人

・特定機能病院※
病床 患者30人:薬剤師1人
外来 調剤数80:薬剤師1人

※特定機能病院…高度な医療の提供や研修を実施する能力を備えた病院

・療養病床のある診療所
人員の配置基準の定めはありません

調剤薬局の配置基準

調剤薬局の薬剤師配置基準は次のように定められています。

1日の処方箋枚数40枚:薬剤師1人

ただし、耳鼻科・眼科・歯科の処方箋は3分の2枚として計算します。これらの診療科の処方箋が30枚あったとしたら薬剤師の配置基準では20枚と計算されるわけです。例えば耳鼻科の門前薬局の場合、60枚の処方箋で薬剤師1人の配置基準となります。


薬剤師配置基準の問題点



薬剤師の人員配置基準は法律や省令で定められたものです。しかし、この決まりを遵守していても人手不足を感じている現場が多いのも事実です。

医療施設の薬剤師配置基準

病院薬剤師の配置基準については1998年(平成10)に改定が行なわれ、それまでの調剤数80に対し薬剤師1人という基準から、病床では患者数70人(診療科によっては150人)に対し薬剤師1人という配置基準に改正されました。

このような改定はあったものの、医薬分業や薬剤師の業務の複雑化などにより、病院における薬剤師不足は続いています。日本病院薬剤師会は医療事故防止等の観点から、配置基準のさらなる見直しを求めているものの、厚労省が「基準をただちに変更する必然性は認められない」としているのは残念なことです。

調剤薬局の薬剤師配置基準

調剤薬局は原則として「1日の処方箋40枚に対し薬剤師1人を配置する」と定められています。1948年(昭和23)に医療法が交付された時点では「調剤数80に対して薬剤師1人」と定められていましたが、現在では処方箋枚数によって配置人員数が決まる仕組みになっています。

ちなみに、この処方箋40枚というのは前年度の処方箋枚数の平均値を指します。調剤数は服用法ごとに1剤と数えるのが基本で、錠剤やカプセルと液剤や滴剤、外用薬などは分けて計算します。少々複雑な数え方のため、調剤数80から処方箋40枚という改定によって薬剤師を取り巻く環境が改善されたかどうかは判断がむずかしいところでしょう。


問題点は2つあります。1つめは調剤数80の時代の薬剤師の業務は調剤と用法指示程度であったのに対し、現在では調剤・用法指示・服薬指導・鑑査・カウンセリング・薬歴管理等々と多様化している点です。

2つめは処方箋40枚で薬剤師1人、80枚で2人という配置基準ですが、79枚であれば薬剤師1人で構わないという問題です。1人の薬剤師が1日に40枚の処方箋をこなすのと、79枚の処方箋をこなすのとでは大きな違いがあります。


調剤の機械化や薬歴の電子化などの進歩はあるものの、リスクマネージメントを含めた薬剤師の負担の大きさを考えると、配置基準にはまだまだ改善の余地ありといえるかもしれません。

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<薬剤師の配置基準とは?のまとめ>

  • 配置基準とは職場や職種ごとに人員配置数を決めたもの
  • 関連する法律や法令、省令などによって定められている
  • 病院薬剤師の配置基準は患者70人に対して薬剤師1人
  • 療養病床や精神病床は患者150人に対して薬剤師1人
  • 調剤薬局の配置基準は処方箋40枚に対して薬剤師1人
  • 処方箋数は前年度の1日の平均枚数を基準としている

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