薬剤管理指導料とは?



薬剤管理指導料とは薬剤師が患者さんに服薬指導をすることにより発生する診療報酬です。病院、薬局、在宅業務など、薬剤師はさまざまなシチュエーションで服薬指導を行なっています。

具体的に、薬剤管理指導料とはどんなものなのか、どんなシチュエーションで薬剤管理指導料が発生するのか、その内容や金額はどれくらいか等を詳しく見ていきます。


薬剤管理指導料とは

薬剤管理指導料が発生するのは、主として病院の病棟に入院中の患者さんや在宅療養している患者さんへの薬剤管理指導業務です。

薬局やドラッグストアに勤務する薬剤師も患者さんに服薬指導等の業務をしていますが、薬剤管理指導に診療報酬が発生するのは原則として病棟業務や在宅業務に対してであると考えていいでしょう。

薬剤管理指導料が発生するケース



薬剤管理指導料は薬剤師が次のような条件のもと、患者さんに薬学的管理指導を行なった場合に発生します。

●病院など医療機関の場合

  • 保険医療機関の薬剤師である
  • 医師の同意を得ている
  • 薬剤管理指導記録に基づいている
  • 直接、薬学的管理指導を行なう

薬学的管理指導とは服薬指導や服薬支援、処方薬の確認(投与量、投与方法、投与速度、相互作用、重複投薬、配合変化、配合禁忌等)が挙げられます。さらに患者さんの状態を適宜確認した効果や副作用の状況把握なども含まれるものです。

対象となる患者さんが小児や精神障害であった場合、患者さん本人ではなく家族などに服薬指導等を行なったとしても薬剤管理指導料の算定ができます。


上記の条件に当てはまった薬剤管理指導業務を行なった場合、週1回(月4回)を限度とした薬剤管理指導料の算定が可能です。診療報酬の点数は、特に安全管理が必要な患者さんが380点、それ以外の患者さんが325点となります。

安全管理が必要な患者さんとは、抗悪性腫瘍剤や免疫抑制剤、不整脈用剤などの特に安全管理を要する医薬品が投薬・注射されている患者さんです。なお、麻薬の投薬・注射が行なわれている患者さんに対し、麻薬使用に関する薬学的指導を行なうと1回につき50点が加算できます。


●在宅業務を行なう薬局の場合

薬局の薬剤師が患者さんの自宅(居宅)を訪問し、薬学的管理指導を行なう場合も薬剤管理指導料が発生します。これは在宅患者さんに対して行なう薬剤師の在宅業務と呼ばれるものです。

在宅患者さんを訪問しての薬剤管理指導料は月4回までを原則とします。ただし、末期の悪性腫瘍の患者さんの場合は週2回(月8回)まで、いずれの場合も診療報酬の点数は650点です。さらに麻薬管理指導を行った場合は100点が加算されます。

在宅患者さんを緊急訪問しての薬剤管理指導料は同じく月4回までで、診療報酬の点数は500点、麻薬管理指導加算は100点です。緊急時に共同指導を行った場合は、月2回までとし診療報酬は700点、麻薬管理指導加算は100点となります。

薬剤管理指導料が発生する施設

医療機関の病棟等で薬剤師が薬学的管理指導を行ない、薬剤管理指導料が発生する施設には基準が設けられています。その主な施設基準は次のとおりです。

・常勤の薬剤師が2人以上配置されている
・薬剤管理指導に必要な体制がある
・DI室(医薬品情報の収集と伝達のための専用施設)がある
・DI室に常勤薬剤師が1人以上配置されている
・DI室の薬剤師が医師等に有効性や安全性等の情報提供をしている
・患者さんごとに薬剤管理指導記録を作成している
・上記の記録に基づいた患者指導を適切に行なっている


薬剤管理指導業務とは



薬剤管理指導業務の主な内容について、病棟薬剤師の仕事を例に説明します。

(1) 薬歴の確認

適正な服用指導のために患者さんの薬歴を確認します。患者さんに関する情報収集(カルテ、診療情報提供所、お薬手帳、持参薬等)も必要です。

(2) 処方の確認

処方内容についての薬学的管理(投与量・方法、相互作用、重複投与、配合変化・禁忌等)により投薬の妥当性の再チェックを行ないます。併せて重複処方や漏れ等の再確認も必要です。

(3) ハイリスク薬への対応

ハイリスク薬の処方の鑑査で妥当性の確認を行ないます。患者さんに対して薬学的管理をするとともに、患者さんからの相談に対応します。麻薬等に関しても同様の業務が必要です。

(4) 患者さんへの説明・指導

投薬(内服剤・注射剤)に関し、患者さんが十分に理解できるように説明と指導を行ないます。患者さんからの相談や質問があれば対応します。

(5) 薬剤管理指導記録の作成

患者さんの薬剤管理指導記録を作成します。記録は医療スタッフへの情報交換、医師や看護師への情報提供にも必要なものです。


在宅業務と薬剤管理指導



社会の高齢化に伴って、各地の薬局でも在宅業務をスタートするケースが増えてきました。在宅業務とは薬局の薬剤師が処方薬を患者さんの自宅まで届け、薬剤管理や服薬指導を行なうという方式の業務です。

このような在宅の患者さんの場合でも、薬剤管理指導料は発生します。薬局はあらかじめ地方厚生局に在宅患者訪問薬剤管理指導料を行なう旨を届け出たうえで、在宅業務が必要な患者さん宅に薬剤師を訪問させます。


基本的には通院が困難で自宅療養をしている患者さんが対象ですが、ご家族など同一建物内にいる患者さんに対しても薬剤管理指導を行なうと指導料が発生します。例えば通院困難な男性患者さんに指導を行ない、さらにその奥様に指導を行なうと2人分の指導料が発生するという仕組みです。

調剤報酬点数は基本の患者さんが650点、同居の患者さんが300点です。その両者を合わせて月4回(悪性腫瘍患者等は月8回)、薬剤師1人につき週40回を限度として算定されます。


以上、薬剤師の薬剤管理指導料について説明してきました。薬剤管理指導は患者さんにとって薬の有効性を維持するためにも、飲み合わせや副作用のリスクを防ぐためにも不可欠なものです。同時に薬剤管理指導は薬剤師の重要な業務の一つともいえるわけです。


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<薬剤管理指導料とは?のまとめ>

  • 薬剤師が患者さんに薬学的指導を行なう報酬
  • 主に病棟患者さんや在宅患者さんに対して発生する
  • 報酬の発生には医師の同意や厚生局への届出が必要
  • 服薬指導、薬歴確認、処方確認等の業務が該当する
  • ハイリスク薬や麻薬への対応も指導料が発生する


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