薬剤師で未経験ジャンルへの転職が不安な方へ



国家資格職である薬剤師の転職はサラリーマンの転職よりも有利ですが、未経験のジャンルへの転職では薬剤師といえど誰しも不安になるものです。これまで培った人間関係もリセットされますし(それが良いという方もいますが)、前職で通じた「常識」が全く通じず、一から職場ルールを覚えなおす必要があります。

新職場に慣れない上に、転職先で新たに勉強しなくてはいけないことも多く、戦力として認められるまで時間がかかるかもしれません。


実際、未経験ジャンルへ転職したものの新しい職場に適応できず、数か月で辞める薬剤師もそれなりにいます。また、未経験ジャンルで苦労することの覚悟はできているものの、ある程度の年齢のため転職活動に不安に感じるかもいるかもしれません。

ここでは、こうした未経験分野への転職にまつわる悩みと対処法について紹介します。


1.年代別、未経験分野への転職について

一口に未経験ジャンルへの転職といって、年代によって状況が異なります。ここでは、年代別に求人状況を説明します。

20代

これは薬剤師に限らずですが、一番転職しやすいのは20代です。若いほうが職場環境の変化にも適応が早いですし、転職先の先輩からしても年齢が若いほうが指導しやすいです。雇用者側からしても人件費も比較的安く抑えられますし、今後の成長の伸びしろも期待できます。


以上の理由から、20代の方でしたら基本的にどの職場にも転職しやすいです。逆に、企業の学術業務(DI業務)のように20代でないと転職が難しい職場もあります(企業側が職場の年齢構成上、若年層を求めているという事情もあります)。

唯一の例外は、製薬会社の研究職や開発職です。この職種になると、博士号や修士号を持っていないと転職を望めないため、年齢を武器にした転職もできません。

30代



結婚や出産などのイベントが起こりやすい年代のため、最も転職が盛んになる年代です。年配の方から見れば「まだ若い」と言われる年代ですが、薬剤師としての経験値も積み、サラリーマンの転職でしたら即戦力としても期待される年代です。それだけに、20代に較べれば、未経験ジャンルへの転職は少しハードルが上がります。

まず20代に較べて最も難しくなるのが、企業への転職です。ここでいう企業とは、製薬会社・CRO・SMO・医療機器メーカー・化粧品メーカーなど、職種でいえばMR・CRA・学術・薬事などです。経験者であれば30代でも十分に転職が可能ですが、未経験ですと30代前半でも可能性は下がります。ただし例外はMRで、30代前半でも可能性は十分あります。


病院も30代になると未経験での転職が難しくなる職種です。30代の前半なら問題ありませんが、30代後半になると門戸が狭くなります。加えて、病院薬剤師はかなり激務なので(そして薄給)、未経験の方が30代で転職するには体力的に厳しいものがあるかもしれません。

調剤薬局やドラッグストアでしたら、30代なら未経験でも不利になることはありません。

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40代

まず40代以降で病院や企業への未経験での転職はかなり難しいでしょう。とはいえ、企業より病院のほうが可能性はあります。急性期病院の(未経験での)転職は難しいですが、療養型病院でしたらそれほど不利ではありません。

とはいえ、40代の未経験での転職で多いのは、調剤薬局とドラッグストアです。まず調剤薬局から見ていきます。

調剤薬局

調剤薬局は負担の少ない職場という印象を持つ方が多いかもしれませんが、大手の調剤薬局チェーンでは覚えなくてはいけないことが多く、仕事時間外での勉強が欠かせません。こうした勉強が年配の方には負担に感じられるかもしれないので、注意が必要です(逆に、こうした環境の方が刺激があって良いという方もいますが)。

負担の少ない調剤薬局でいえば、中堅病院やクリニックの門前薬局です。扱う調剤の種類が少ないので勉強の負担はありませんが、向上心のある方は逆にツライかもしれません。


ドラッグストア

ドラッグストアは仕事の難易度という点ではそれほど高くないかもしれませんが、基本的に休みが少ない職場が多く、人によっては肉体的な負担を感じるかもしれません。また、ドラッグストア薬剤師の場合、OTC販売や(調剤併設の場合)調剤以外に、店舗の雑用を任されることが多く、別業界で働いていた方からすると、プライドを傷つけられたと感じる場面も少なくありません。こうした「苦労」を前もって覚悟しておく必要はあります。

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ドラッグストア薬剤師への転職の前に知っておきたいことは?

50代~



状況は40代と似ていますが、40代よりも未経験ジャンルへの転職は厳しくなります。唯一例外は療養型病院で、年配の方限定の求人もありねらい目です(ただし求人数は少ないです)。

50代の方の転職で特に気を付けて頂きたい点が2点あります。一つはPCスキルです。PCのスキルがないとかなり致命的だと思ってください。

PCスキルといっても特別な技術ではなく、メールやワード・エクセルが使いこなせれば問題ありません。こうしたスキルは少し学習すればすぐ身に着くので、ワード・エクセルが扱えない方は事前に勉強しておくことをオススメします。


2点目は、(後でも触れますが)周囲の同僚といかに上手に付き合えるかです。特に50代になると、職場の上司や先輩が年下の可能性が高いです。そんな時、「年上」風を吹かせて上司や先輩に接したら煙たがられること間違いなしです。未経験での転職なのですから、いくら年上といっても「新人」なのです。

変なプライドを捨てて、上司や先輩を立てられるかは非常に大事です。いかに周囲と協調して仕事ができるかが、この年代では重要になってきます(といいますか、仕事を覚える以上に大事です)。


年齢よりも大事なことは?

上では、年代が上がるにつれて未経験分野への転職が難しくなる、という話を書きました。では、40代・50代以上の薬剤師での未経験の転職は圧倒的に不利か?というと、そんなことはありません。実は年齢以上に大事な要因があるのです。

それは気配り・目配りです。一言で言えば「人柄」ですね。人柄がよくなければ若くても転職は上手くいきませんし(職場になじめず、すぐまた転職する)、人柄がよければ年配でも転職に成功します。という風に一般論で語ってもピンとこない方もいると思うので、具体的なエピソードを紹介します。


ある転職エージェントの方は、某企業の(早期退職制度を利用した)希望退職者の再就職支援を要請されました。人数は8人程度で、どの方も薬剤師資格は持っているものの年齢は60歳手前でした。では、この内何人が再就職が決まり、その後も転職先で長く働き続けられたか?答えは全員です。

彼らの転職先は調剤薬局だったのですが、なぜ転職に成功できたのでしょうか?早期退職制度を利用したくらいですから「後がなく」必死だった、というのもあるでしょう。ですがそれ以上に大きかったのは、どの薬剤師も長い企業生活で社会人マナーをキッチリ身に着けていて、年下の同僚にも謙虚に接することができたのが大きいです。


確かに未経験での転職では年配ほど不利になりますが、人柄さえよければ十分に可能性はあるのです。


2.求人情報で見る!「未経験者ok」の募集状況

1.どの業界でも、50~60%の割合で未経験ok

意外に思われるかもしれませんが、調剤薬局・病院・ドラッグストア・企業など、どの求人先でも「未経験ok」としている割合はそれほど変わらず、大体5~6割です。

ただしこれは、カラクリがあります。たとえば企業がその典型ですが、未経験の40代以降の募集者に対しては、(求人情報には書いてないにもかかわらず)ほぼ門戸を閉ざしている所もあります。


なぜこうしたことが起きるのかというと、現在の法律では、求人募集要項で年齢による制限を認めていないためです。ですので、雇用側としては「未経験なら20~30代OK」と募集要項に書きたいところを、「未経験OK」としか書けないのです。

ですが、雇用主が「未経験で40代以降は採用するつもりはない」と考えていたら、どれだけ転職活動に力を注いでもムダになります。


こうした「転職活動のムダ」をなくすためには、転職エージェントに事前に情報を仕入れておくとよいでしょう。転職エージェントとしても、全く見込みのない求人先は紹介してきません。

その一方で、本当に未経験OKで年齢も不問という求人先も数多くあり、そうした求人先では「人柄」が重要になってくるのは先ほど書いた通りです。

2.未経験だと年収(時給)が落ちる?

これも求人先によって違ってくるのですが、経験者に較べてやや年収が落ちるのが一般的です。製薬会社などの企業へ転職した場合、経験者と未経験者で50~60万違うということも普通にあります。

では、(未経験の)自分の場合はどの位年収が落ちるのか?これは個別交渉で決まってきます。求人先が「未経験なら年収400万ね」と言ってきているけど自分としては年収450万が欲しい場合、転職エージェントに代わりに交渉してもらいましょう。

満額の450万を勝ち取ってくれるかもしれませんし、「未経験だと430万が限界みたいです」と年収430万を勝ち取ってくれるかもしれません(もちろん、断られる可能性もあります)。


3.未経験ジャンルへ転職する際の対策

以下では、未経験の分野へ転職で失敗しないための対策について紹介します。

1.研修制度が充実している転職先を選ぶ(意識高い人向け)



こちらは、転職先でバリバリ働きたい!薬剤師としてのスキルを磨きたいという人向けです。そんな方にオススメの転職先は、研修制度がしっかりした求人先です。大手調剤薬局チェーンがその典型です。大手調剤チェーンは研修体制もしっかりしているので、「転職先で何を勉強したらいいか、全く分からない」といった放置状態になることもありません。

ただし、調剤薬局では薬剤の種類など覚えることも多い上、勤務時間外の勉強も強いられるため、支援体制が整ってるといってもラクな職場ではありません。そのことは事前に覚悟しておいた方がよいでしょう。


大手調剤薬局のほかには、病院も研修体制がしっかりしている所は少なくありません。病院は元々、新卒薬剤師を多く受け入れてきた経験もあるので当然のことです。ただし、その支援体制も病院によって全然違いますので、その点は転職エージェントにしっかり確認しておくとよいでしょう。

2.あえて門前薬局を転職先に選ぶ(ゆったり働きたい人向け)

1とは逆に、それほどバリバリ働きたくない人にオススメなのが、中小の門前薬局です。特にクリニックの門前薬局ですと、扱い薬剤の種類も少ないため、覚えることも限られているし仕事も楽なため、ゆったり働きたい方にはオススメです。

門前薬局のリスクを挙げるとしたら、小規模のため人間関係でこじれると、後々が大変という点です。ですので、面接のときの相手の様子を観察したり、職場を見学させてもらうとよいでしょう。何か違和感を感じたら、お断りした方が無難かもしれません。

3.転職エージェントに相談する

転職支援会社の担当エージェントは、上手に活用すれば転職の強い味方になってくれます。そのためにも、積極的に相談するとよいでしょう。未経験の分野への転職で不安を感じているなら、そのことを正直に話して対応策を相談すべきです。

転職エージェントにとって対応しづらい相手は、自分の本心を話してくれない人です。疑問に思ったこと、不安に感じたことはドンドン相談しましょう。もし、それでも納得できる回答をくれないなら、その転職支援会社を変えた方がいいでしょう。

4.転職前に、同じ職種を選んだ友人の話を聞く

もし友達に、同じ分野へ未経験から転職している方がいるなら、その方の話をよく聞いた方がいいでしょう。もちろん、その方とあなたの転職先は別なので参考程度の話にしかならないかもしれませんが、たとえば調剤併設のドラッグストアに転職した友人がいて、その方の意見が聞ければ、ある程度不安が解消されるかもしれません。

そうした話を聞ける友達が近くにいないという場合、下記のような他の薬剤師の転職体験談が参考になるかもしれません。

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薬剤師の転職体験談


5.(転職後)苦しくなったら周囲にSOSを出す

これは転職後の話ですが、仕事がきつい・人間関係が苦しいなど、職場にまつわる困難を感じることもあるかもしれません。そんな時は意地をはらずに、周囲に相談しましょう。この辺の支援体制は、大手企業ほどしっかりしています。

たとえば、大手調剤薬局チェーンに未経験で転職して、当初は意気込んでいたものの、次第に学習量の多さに圧倒されるかもしれません。その一方で、少しずつ任される仕事量が増えてきて、その重圧に耐えられなくなり、仕事中に軽いパニックを起こしてしまうかもしれません(数こそ多くないですが、こうした理由で辞められる方はいます)。


こんな時は上司に率直に相談するとよいでしょう。今の負担が自分には重すぎるので、少し軽くしてほしい。今のままでは仕事を続けられなくなると。よほどヒドイ上司でなければ、対策を考えてくれるはずです。


なぜ、こうしたことをわざわざ書くかというと、自分で悩みを抱え込んでしまう方が時々いるためです。ですが、あまりに悩み過ぎると精神的に病んでしまい、仕事自体を長期間休まなくはならなくなるかもしれません。苦しいときは迷わず、周囲にSOSを出しましょう。

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6.半年(できれば1年)は我慢する

「石の上にも3年」という言葉もあります。さすがに3年は長いと思うかもしれませんが、たとえ未経験の転職先で苦しいことがあっても、最低半年は(できれば1年は)働き続けることをオススメします。最初はツライと思っても、働き続けるうちに慣れてくることもあるからです。


これは薬剤師よりも看護師でよくある話ですが、「最初(この病院に)働き始めた時は、3か月もたないと思った。でも、気が付くと5年経っていた」というのはあります。仕事が慣れるにしたがって、少しずづ楽になるかもしれないので、安易に結論をだすのではなく、せめて一定期間でも歯を食いしばって働こうと決意するのは、それなりに意味があると思います。

もちろん、その一方で苦しいと思ったら周囲にSOSを出すことを忘れないことです。

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