ブロックバスターとは



ブロックバスターとは画期的な薬効を持ち、トップシェアなど圧倒的な売上を誇る医薬品を指します。2014年の抗リウマチ薬「ヒュミラ」、2015年の経口C型肝炎治療薬「ハーボニー」は売上100億ドル超を誇る大型ブロックバスター医薬品です。

ここではブロックバスターとは何なのか、世界と日本のブロックバスター薬にはどんな製品があるのかを、ブロックバスターの問題点と併せて紹介していきます。


ブロックバスターとは

ブロックバスター(Blockbuster)を日本語に訳すと「大型高性能爆弾」という意味になります。そこから転じて、メディアによる大掛かりな広告戦略や、巨額の費用を投じた超大作映画などをブロックバスターと呼びます。

医薬品業界でも同様に、特定の要件を満たした医薬品をブロックバスター(Blockbuster drug=ブロックバスター薬)と称します。ブロックバスターに明確な定義はないものの、主として以下の項目に当てはまる製品であることが条件となっています。

ブロックバスターの条件



(1) 従来の治療体系を覆すような画期的な効果を持つ医薬品である
(2) その医薬品が同一対象疾患領域で特に優れた売上を記録している
(3) その医薬品(1剤)のみで年商10億ドル(1000億円)を超す

以上の3点がブロックバスター薬の条件とされるものです。

(1)の画期的な薬効については、ハッキリとした定義は設けられていません。(2)のように同じ対象疾患の分野で格段に優れた売上を上げている医薬品のわけですから、まさに従来の治療体系を変えるような画期的な効果があると判断されると考えていいでしょう。

さらに(3)のように新薬1剤のみで年間10億ドル(1000億円)を売上げる製品であれば、文句なくブロックバスターといえます。

ちなみに、その医薬品が最も販売された年の売上高が5億ドル超である薬もブロックバスターに含めるという考え方もあります。5億ドル=約500億円ですから、こちらも画期的な薬効と巨額の売上を誇る医薬品であることに変わりはありません。

世界のブロックバスター薬



世界最大のブロックバスター薬のひとつが、米国アッヴィ社の抗リウマチ薬「ヒュミラ(アダリムマブ)」です。「ヒュミラ」は2012年に92億6500万ドル(約9650億円)を売上げたのを皮切りに、2013年に102億8300万ドル(約1兆283億円)、2014年に125億4300万ドル(約1兆2543億円)、2015年に140億1200万ドル(約1兆4120億円)を売上げ、4年連続で売上第1位となりました。

「ヒュミラ」は遺伝子組換えによるヒト型ヒトTNF-αモノクロナール抗体製剤です。ヒト由来の抗体成分で免疫調節を作用機序とする生物抗体であり、抗リウマチ薬としては画期的な医薬品とされています。「ヒュミラ」は関節リウマチの早期改善や関節破壊の進行抑制などの効果があり、日本を含む世界38か国で承認されています。

その他のブロックバスター薬としては、米国ギリアド・サイエンシズ社のC型肝炎治療薬「ソバルディ」(年間売上高・約102億ドル)と1型肝炎治療薬「ハーボニー」(約138億ドル)、ジョンソン&ジョンソン社の抗リウマチ薬「レミケード」(約92億ドル)、フランス・サノフィ社のインスリン製剤「ランタス」(約84億円)、スイス・ロシュ社の抗悪性腫瘍剤「リツキサン」(約75億ドル)などが挙げられます。

日本のブロックバスター薬



日本にも世界ランキングに入るブロックバスター薬があります。その代表例といえるのが、塩野義製薬の高脂血症治療剤「クレストール(ロスバスタチン)、大塚製薬の統合失調症治療剤の「エビリフアイ(アリプラゾール)」です。

「クレストール」は肝臓でのコレステロール合成を阻害し、血中コレステロールを低下させる薬剤です。2012年に世界のブロックバスター・ランキング第6位を占め、年間売上高は43億円を超えました。


「エビリファイ」はドーパミンD2受容体の部分的作動薬で、統合失調症の陽性症状に効果があります。2015年に世界のブロックバスター・ランキング第10位、年間売上高は61億円を記録して国内トップシェアを占めています。

その他の日本のブロックバスター薬としては、第一三共の高血圧症治療薬「オルメテック・ファミリー」(年間売上高・約26億円)、アステラス製薬の抗リウマチ薬「プログラフ」(約17億円)、武田薬品工業の多発性骨髄症治療薬「ベルケイド」(約14億円)などがあります。


ブロックバスターにおける問題点



ブロックバスター薬は薬効・売上共に高レベルな医薬品です。しかし、そのブロックバスター薬にもいくつかの問題点があります。

製薬会社のブロックバスター依存

ブロックバスター薬の開発に成功すれば、製薬会社には巨大な利益がもたらされます。わずか1剤のブロックバスターで数百億ドル、日本円すると1兆円に近い売上が得られるわけですから、製薬各社が積極的に新薬の開発に力を入れるのも当然の理といえるでしょう。

莫大な利益を生むブロックバスター薬ですが、巨大な費用を掛けた新薬開発も常に成功するとは限りません。製薬会社がブロックバスター薬の開発に依存すればするほど、失敗したときのダメージは大きくなるという問題が生じます。

特許切れ後のブロックバスター薬

製薬会社が巨費を掛けて開発したブロックバスター薬も、いったん特許が切れれば急激な利益減につながります。医薬品の特許期間は10年程度で、それを過ぎるとブロックバスター薬を開発した製薬会社が独占販売することはできません。

特許切れ後のブロックバスター薬はジェネリック医薬品として他社が製造販売できるため、開発元の製薬会社の利益は大幅に落ちてしまうわけです。ブロックバスターになるほどの薬には長期の開発期間を要すもので、10年程度で特許切れしてしまうのは開発元にとって大きな損失になります。

ブロックバスター薬は高価過ぎる?

高い薬効を誇るブロックバスター薬ですが、その価格が高過ぎるという点が問題となっています。C型肝炎治療薬として138億ドルを売上げ、ブロックバスター薬となった「ハーボニー」の薬価は当初1錠8万円でした。この薬は3か月間(1錠/日)の治療で720万円の薬価が必要となります。

同じC型肝炎治療薬の「ソバルディ」も薬価は1錠6万円と高価です。従来の治療体系を覆すような薬効を持つブロックバスター薬ですから、「飲めば治る」「著しい効果がある」という点を考慮したとしても、薬価が高過ぎるという声が上がっているのは事実です。


ブロックバスター薬はこれまで完治に長期間を要した患者さんや、高い薬効を持つ薬がないばかりに苦しんできた患者さんを救うことも可能な画期的な医薬品です。いくつかの問題点はあるにせよ、ブロックバスター薬を待ち望む患者さんが多いのもまた現実でしょう。

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<ブロックバスターとは?のまとめ>

  • ブロックバスター薬とは特定の条件を満たした医薬品
  • 条件は画期的な薬効と圧倒的な売上を併せ持つこと
  • 従来の治療体系を覆すような薬効を持つ新薬が該当する
  • 売上は年間5~10億ドル(500~1000億円)超のもの
  • ブロックバスター目的の新薬開発競争が過熱している
  • ただし特許切れになると後発品が発売されて利益は減る

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