転職体験談(38):新卒2年目、知人の紹介を通して中小病院へ転職

薬剤師,転職体験談


転職前はどんな仕事をしていたか

大学を卒業後、田舎にある実家からほど近い病院に就職しました(岩手県、31歳、女性)。いわゆる後方支援病院です。

外来患者さんの半分以上はお年寄りで、療養病棟の病床数は急性期病棟の3倍の規模でした。


入院患者さんの飲み薬は粉砕調剤が中心で、週の半分以上を薬の粉砕と配薬に費やします。

注射は、高カロリー輸液の調製を日曜日以外毎日10名分ほどしていましたが、半分以上は調製点数がとれない療養病棟の患者さんのもの。


一般病床に入院してくる患者さんもお年寄りが多かったため嚥下能力に難があり、抗生剤などは飲み薬ではなく注射から始まることが多く、服薬指導はあまりありませんでした。

当時は院外薬局がなかったので、すべてのお薬を院内で調剤していました。外来で診ている科は9つほどあり、採用薬にもあるていどの幅があったので、勉強はできました。


けれど、お年寄りの患者さんは長期日数処方が多く、その弊害で残薬整理の仕事も増えました。

PTPシートからお薬を取り出すことが困難なため、一剤でも一包化する患者さんが多いのも特徴的でした。

また、経腸栄養剤を必要とする患者さんが外来・病棟どちらにも多かったのですが、薬剤科のスペースには限りがあったため、日々払い出しては注文する、の繰り返しで、在庫管理がとても大変でした。


なぜ転職しようと思ったか

はじめから後方支援病院であることは理解しての就職でしたので、根気のいる職場・仕事だということはある程度は納得しているつもりでした。

一番は、就職前の見学で在宅医療にも取り組み始めていると聞いていたので、現代のニーズに合わせた新しい試みに興味があり、就職を決めたのです。


しかしいざ就職してみると、「これでいいのか?」と悩んでばかりになってしまいました。

というのも、在宅医療での薬剤師の出番は「いずれ」の話であり、薬剤師がかかわるようになる態勢づくりまで実際には数年はかかること。

在宅医療への薬剤師の参画は必要ではあっても、人数や診療報酬などの観点からあまり積極的ではないこと(あくまで当時の病院薬剤師としては、のお話です)。

数年後にスタートしたとしても、薬剤科内で一番年若い私には任せてもらえないこと。


ほかにも、外来患者さんの大半がお年寄りであり、お年寄りに服薬指導をするむずかしさや、粉砕した薬を2種類以上まぜたときのデメリット(療養病棟とはいえ処方変更がありうるため、再調剤の手間、廃棄分の薬剤費)などから、ひたすらに一薬剤ずつ粉砕を繰り返すしかないことに、途方もなさを感じていました。

そうした業務上の展望がひらけずに1年が過ぎたころ、先輩から「ここ数年ボーナスが下がる一方だから転職しようかな」という話を聞いたことで、転職に踏み切りました。

<関連記事>:病院薬剤師へ転職する前に知っておきたいことは?


どんな転職活動をしたか

転職先は、薬剤師協会のホームページで募集掲載している病院の中から、実家から通える範囲のところを探しました。

各病院のホームページで、標榜している専門科の種類、薬剤師の仕事内容や給与のおおまかなところを確認しました。

地元県の病院薬剤師会にも所属していたため、会誌で各病院の薬剤師の人数、働き盛りの年代がいるかなどもチェックしました。


調剤薬局も少し考えましたが、まだ納得いくほど病院で仕事をしていない、という感覚がありましたので、転職先も病院と決めていました。

さらに、新卒当初から当直をする体力に自信がなかったため大学病院などは避け、中小病院の募集だけを探し、情報を見比べました。

<関連記事>:調剤薬局と病院を比較した!薬剤師が就職・転職するならどっち?


就職して間もない新人、しかも出身大学は他県だったため、横繋がりで新しい職場を探すこともできず、根気強く薬剤師協会のホームページで募集を確認するしかありませんでした。

半年ほど探し続けましたが、ネットで見る限りは募集していなかったり、募集に気づいたときにはすでに締め切られた後だったりと、なかなかうまくいきませんでした。


このとき、自分の代わりに職場を探してくれる誰かがいたら、とても楽だったと思います。

仕事で疲れて帰ってきた夜、友達と飲みに行く夜は、とても転職先を探す気にはなれませんでしたから。

最終的には、病院薬剤師会掲載の募集ではなく、信頼している先輩がよく知っている職場(専門性の高い中小病院)を紹介してもらうことになりました。

ちょうど人手不足で困っており、とんとん拍子で面接日が決まり、試験はなく、ごく一般的な内容の質問のみで面接を終え、すぐに内定がいただけました。


転職後の職場の様子、感想

新しい職場では、患者さんの年齢層は幅広く、特定の年代に偏りもありませんでした。

はじめは専門分野のある病院の薬剤科ということで敬遠していましたが、いざ現場に立ってみると多方面の知識が必要であり、自分の視野が狭くなることはありませんでした。

DI業務やコメディカルとの連携にも積極的であり、抗がん剤の調整も経験できました。

外来も入院も回転が良かったので在庫管理は大変でしたが、患者層の厚さから「同じことの繰り返し」ではなく、「先を考えて管理する」仕事でしたので、やりがいがありました。


私は就職2年目で転職することを、最初はずいぶんとためらいました。

我慢が足りないだけではないかという疑念、次のところが自分に合う職場だという保証もなく、また2年ほどで辞めてたらどうしようかという不安がありました。

けれども新しい職場はとてもやりがいがあり、楽しく、5年以上勤めています。


仕事をがんばっている先輩たちの姿を間近で見ていると刺激を受けますし、業務拡大にも積極的な職場なので、薬剤師としての経験値が高まり、貴重な20代となりました。思い切って転職して良かったです。

給料も、月給手取り19万円だったのが、転職後21万円にアップしました。年2回のボーナスも安定しており、年収でいうと50万円ほど増えましたし、年1回の昇給もきちんとされます。ですがこれは、私の転職運が相当良かっただけのようです。


これから転職する人へのアドバイス

私は給料を交渉するという頭もなく、先方に言われるがまま条件に同意して就職しました。

新卒2年目という立場上、当然ですし、後悔はありませんが、入職後に「給料交渉」について知りました。


「給料交渉をしたかどうか」を話す機会は、友人同士でも同僚の間柄でも、まずないのではないでしょうか。

それなりの経験があれば、給料交渉をしても悪くはないのだということを、私は最近まで知りませんでした。

中堅どころの年齢になった最近、転職サイトを使った友人から、自分の代わりに給料などの話しづらいことも交渉してもらったと聞いて、驚きました。


そもそも転職サイトは都会の人向けであって、田舎には対応していないとばかり思っていたのです。

しかし、実際は都会・田舎など関係なく全国の募集を扱っているし、親身に相談に乗ってもらえるものなのですね。
 

私は転職サイトの存在自体、転職当時は知りませんでしたが、友人から話を聞いて、自分も試しておけば良かったと思いました。

たまたま転職先が自分に合っていたところだったので良かったですが、ホームページなどで確認できる情報だけではやはり足りません。


加えて、転職当時、せっかくの機会ですからほかの職場がどのような待遇で迎えてくれるのか、仕事内容など、もっと詳しく知りたかったと思います。

よその職場をのぞける機会など、めったにありませんから。


薬学科が増えた反面、国家試験の合格率がさまざまな理由から下がり、どこの職場も薬剤師を確保するのに必死になっています。

また、病院も調剤薬局も業務内容がどんどん変わってきている時代です。

事前にどれだけ下調べしても、就職してみないと分からないこともたくさんありますから、「ここは合わない」と強く感じるのなら、転職を考えてみても良いでしょう。


ただ、その際は、幅広く転職先を探してみることをオススメします。

「見比べること」「ほかを知ること」は、転職が容易な薬剤師だからこそ必要ではないでしょうか。

社会人としての見聞をひろげる、良い機会でもあります。


働きながら複数箇所の職場と密な話し合いをするのは負担なので、転職サイトなどを利用して情報を集めるのも効率的で良いと思います。

転職の機会はそうそうあるものではないので、悔いのない転職活動をなさってください。

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