看護師や薬剤師・医師といった医療系のお仕事は、求人数もそれなりにあり、勤務条件・勤務先にこだわらなければ、転職すること自体は難しくありません。
ですが、大したリサーチもせずに転職してしまうと、いわゆる「ブラックな」職場に転職してしまう可能性もあります。そこからまた転職し直すとなると、大変な労力ですし時間も無駄になります。
結局、薬剤師さんが自分ひとりの力で転職活動を成功させようとするのは無理があります。転職が成功するかどうかは情報収集で決まる部分も大きいですが、個人の力では限界があるためです。
そんなとき、上手に活用したいのが薬剤師転職支援サービスです。非公開の転職情報を提供してくれたり、担当者がついて転職支援のアドバイスをしてくれる熱心な会社もあります。
ここでは、薬剤師の大きな味方になってくれる転職支援サイトを紹介します。忙しい毎日を送っている方ほど、活用して頂けたらと思います。
薬剤師の方なら肌で感じていると思いますが、薬剤師求人業界は相当な人手不足です。
ですので、えり好みさえしなければ薬剤師の方で求人先が見つからないということはないでしょう。
ですが、人手不足といっても薬剤師の求人先によって濃淡があり、たとえば製薬業界であれば以前よりも転職が難しくなっています(後で詳しく述べます)。
また、今が薬剤師不足といっても、将来的にはどうなの?と不安に感じる方もいると思います。以下で詳しく見ていきましょう。
出典:「薬剤師需給動向の予測に関する調査研究」報告書
上の図は今後の薬剤師の需給状況の予測ですが、2020年までは需要が供給を上回る状態(つまり薬剤師の人手不足)が続き、2021以降は逆転することを表しています。この予測が正しいとすると、薬剤師にとっては2020年までは有利な求人活動ができるでしょう。
ですが、これほど薬剤師求人需要が旺盛なのは(または、これほど薬剤師が人手不足なのは)、どんな背景があるのでしょうか?簡単に見ていきましょう。
どなたもご想像がつく通り、一つは高齢化の影響です。日本の医療費(調剤費を含む)は増え続けていますが、これは高齢者が増え続けているためです。特に70歳を超えるあたりから一人あたりの医療費が急増することが知られています。
今後も70歳以上の高齢者人口が増えることを考えると、調剤費もそれに伴って増えていくこと、調剤を担う薬剤師の需要が今後も伸びていくことは容易に想像できます。
薬学の高度化・専門化に合わせて、薬学部の就学年数が4年から6年に移行しました(依然4年制は残っていますが、大学院進学向けです)。このことは薬剤師求人業界に二つのインパクトを与えました。
一つは薬学部への入学者数の減少です。薬剤師の給料は一般のサラリーマンよりは多少恵まれていますが、それでも4年制から6年制に移行したからといって給料が上がる訳ではありません。薬剤師の給料は変わらないのに、薬剤師になる労力と費用が上がったため、以前より卒業生は減少し、ひいては新人薬剤師の減少にもつながりました。
もう一つは、2012年・13年と4年制から6年制への移行のため新卒薬剤師が求人市場に出てこず、ただでさえ人手不足の薬剤師業界に一層拍車をかけたことです。この「空白の2年間」は今後起きませんが、求人市場に与えた影響はいまだに地味に残っています。
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病院でクスリを処方しすぎることへの対処法として導入されたのが「医薬分業」ですが(導入は1974年)、これに伴って増加したのが調剤薬局です。もちろん、増え続ける患者の需要に応えるためもありますが、調剤薬局への診療報酬が優遇されてきたため薬局数が一貫して増加し続け、薬剤師の需要も増加し続けています。
また、増加するドラッグストアにおいても第一類医薬品の販売で薬剤師の常駐が必要なため、ドラッグストアと調剤薬局による薬剤師の取り合いが激化しました。
大まかに言えば、以上挙げた3つの要因により薬剤師の求人需要が旺盛なのですが、上でも書いた通り2020年には薬剤師の需給関係が逆転し、人余りの時代が来ることが予想されます。
2020年以降が厳しくなるのは当然として、それまでは薬剤師は楽に転職活動ができるのでしょうか?実は、今後ますます「薬剤師の質」が厳しく問われる時代になってくると予想されています。
では、どんな薬剤師が求人市場で求められるのか?どんな薬剤師なら生き残れるのか、以下で詳しく見ていきます。
上でも書いた通り、薬剤師の求人市場は空前の人手不足ですが、今後は人手不足が少しずつ解消されていくことが予想されます。
となると、薬剤師資格を持っていれば多少の「問題人物」でも就職できるという状況が少しずつ変わっていくことが見込まれます。少なくとも、現在のような薬剤師にとって有利な状況ではなくなり、何かしら問題のある薬剤師は就職しづらい状況になるでしょう。
では、今後どういった薬剤師が生き残れるのでしょうか?今後の求人市場で求められる人材とはどういった薬剤師でしょうか?一つずつ見ていきましょう。
医療の高度化・複雑化に伴い、薬剤師が求められる知識やスキルも高度化しております。薬学部が4年制から6年制に移行したのも、こうした要求される薬学の知識レベルが上がったことも関係しています。そしてそれは、資格を取った後の薬剤師についても同様です。
薬剤師を目指す学生の中には、資格さえ取れば楽して食べていけると勘違いしている方もいますが、もうそんな時代ではありません。就職したのちも、日々の業務についていくために帰宅後に毎日勉強していると多くの薬剤師が言っています。
また、それまでとは違うジャンルの職種に転職した方、たとえば病院から調剤薬局チェーンに転職した薬剤師が、一から勉強し直すという光景は珍しくありません。
このように、日々の仕事に付いていくために常に学習する、「勉強熱心さ」が今後の薬剤師に求められる資質の一つです。
いくら豊富な知識や高い調剤スキルなど、薬剤師としての仕事能力の高い方でも、傲慢な態度やぶっきらぼうな口調の薬剤師は周りから嫌われますし、転職先の人間関係で「うきます」。
こうした傾向が特に高いのが、病院薬剤師です。病院薬剤師は薬剤師としてのスキルを磨くにはもってこいの職種ですし、病院治療にも関わる仕事だけに、現場の病院薬剤師もプライドを持って仕事をしています。
ですが、病院から調剤薬局なりドラッグストアに転職するにあたって、「私は元・病院薬剤師であなた達とは違う」という態度を周りの薬剤師に対して取るようだと、周りと軋轢を起こすことになります。
特に、転職したての頃は業務の事で分からないことだらけなので、周りに教えてもらうことが多いはずです。ですが、先に挙げたような傲慢な態度を取る方に、進んで教えてあげるような方はいないでしょう。
後ほど、年代別の薬剤師の転職動向について解説しますが、年配の薬剤師の方でも転職に成功する方と失敗する方(転職先が決まらないか、決まってもすぐに辞める方)に分かれます。
この違いを生んでいるのが、上で書いた「腰の低さ」だったり気配りだったします。今後は、より若い世代の方であっても、「腰の低さ」は重宝される薬剤師の資質になるでしょう。
薬剤師は資格職です。調剤業務は薬剤師の独占業務ですし、何より高度な知識が必要です。こうした優越的な立ち位置にいる薬剤師にとってコミュニケーション能力は、「あるにこしたことないけど、なくても何とかやっている」資質でした。
ですが、こうした状況が少しずつ変わろうとしています。
その理由の一つが、クスリのネット販売解禁です。OTC医薬品は薬剤師でなければ販売できませんでしたが、こうした状況が変わろうとしています。
つまり、単にクスリを売る(ないし渡す)だけの薬剤師が存在価値をなくしていくということでもあります。
するとどうなるかというと、ネットではできない薬剤師の仕事が重みを増してくるということです。それは、服薬指導だったり患者からのクスリの相談といった、患者との密なコミュニケーションです。
つまり、窓口でクスリを渡したり販売するだけの仕事から、患者と密に会話をして患者の健康や病気と深く関わりあう必要が出てきます。
今はまだそこまでの状況ではないですが、現在のような「薬剤師の売り手市場」が解消されていくにつれて、コミュニケーション能力のない薬剤師が生き残っていくのが難しくなると予想されます。
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以下では薬剤師の方が、求人先選びをする際にどんな点に気をかけているか見ていきたいと思います。典型的なのは以下の3つです。
薬剤師の7割弱は女性ですが、大抵の女性薬剤師の方は結婚・出産を機に職場を離れ、その後職場復帰されるケースが多いです。そこでネックとなるのが家事・育児との両立です。
病院のような長時間働く職場への復帰は難しいので、復帰先としては多いのは調剤薬局やドラッグストアになります。もっとも最近では病院でも従業員向けの託児所を完備している施設も出てきているので、初めから復帰先として病院を排除する必要はありません。
求人先選びでポイントになるのは、「どのくらい、仕事に時間を使えるか」「パートとして復帰するか、正社員か」「自宅から勤務地までの距離は?」といったところでしょうか。
長時間働けないなら正社員としての復帰は難しいと考えている方もいるかもしれませんが、9時ー5時勤務でも正社員になれる求人先もありますし、週4日勤務でも正社員として採用してくれる求人先もあります。もちろん、最初の内はパート勤務から始めるのも一つの選択肢です。
自分がどういった働き方をしたいのかは、求人支援会社の担当エージェントも交えて一度話し合ってみるとよいでしょう。人に喋ることで、自分の頭の中が整理されることがあるからです。
男性看護師に多いのが、「仕事のやりがい」を理由にした転職です。薬剤師が仕事のやりがいを感じられる職場というと「病院」を挙げる方が多いと思いますが、事はそれほど単純ではありません。
病院は医師を頂点とするヒエラルキーが出来上がっており、職場内で薬剤師が「軽く見られる」ことも少なくありません。調剤の上流工程から見られるなど病院ならではのだいご味もありますが、職場内で自分が評価されていないと感じて転職する薬剤師も少なくありません。
ですので、「仕事のやりがい」を追及するのであれば、自分がどんな役割を果たしたいのか改めて見つめなおし、求人先でどんな仕事をするのか詳細に確認した方がよいでしょう。求人先の仕事については単に勤務先の求人項目を見るだけでは不十分で、求人先との面接で詳細に確認すべきです。
「仕事のやりがい」について、もう一点注意してもらいたいのが「仕事の責任」と密接に結びついていることです。仕事のやりがいを追及すればそれだけ責任も要求されますので、「仕事のやりがい」を求めつつ「楽な職場」を探すようなら求人活動は苦労することになります。
薬剤師には出世というコースはあまり用意されておらず、管理薬剤師や薬局長になる位です。外でも通じるキャリアアップの資格という点では、認定薬剤師や専門薬剤師があります。こうした資格を支援する制度を持つ職場もありますので、興味のある方はそうした職場に転職を検討した方がよいでしょう。
自分の希望するジャンルに特化した仕事がしたい、将来的にはその方面での研究もしたいということでしたら、自分の希望ジャンルに特化した調剤薬局に転職するのも手です。調剤薬局によっても強いジャンルや弱いジャンルはありますので、調剤の機会もそれだけ変わってきます。ただし、こういった情報は外からは分かりづらいので、転職支援会社を活用した方がよいかもしれません。
一般のサラリーマンの転職先選びで重要なポイントになるのが給料や年収ですが、薬剤師の求人先選びでも重要なポイントです。誰だって(給料以外の)条件が同じ求人先なら、給料が高い方を選ぶはずです。
薬剤師の給料は地域ごと・業種ごとの相場観というものがあります。たとえば、横浜の調剤薬局の求人はお給料がこの位からこの位まで、といった感じです。この辺は地域ごとの特性が大きいので、転職エージェントに確認した方がいいでしょう。
職種ごとの違いでいえば、最も高収入なのはドラッグストアです。ついで調剤薬局、病院の順です。企業は会社によって給与が全く違うため、一括りに語るのが難しいです(加えて、企業薬剤師の求人は他の職種に較べて段違いに求人数も少ないです)。
地域的な違いで言えば、地方ほどお給料が高く、都市部ほど給料が下がる傾向にあります。これは、都市部ほど薬剤師の数が多いのに較べて、地方は薬剤師が不足していることも関係しています。先ほど、薬剤師の給料のその地域の相場観によって決まると書きましたが、地方の場合は「とにかく薬剤師を取りたい」ということで、相場観からかけ離れた高い給与で募集を掛ける求人を時々見かけます。
以上が、薬剤師の給与・年収の一般的な傾向です。
生活の糧を得る手段として働く以上、誰だってお給料は気になるポイントです。ですが、年収やお給料を転職の第一条件にしてしまうのはリスクもあります。この点については後ほど改めて解説します。
勤務地も、薬剤師の求人先選びでは大事なポイントです。いくら条件の良い勤務先でも、自宅から2時間も掛かるような勤務先に働きたいと思う方は少ないでしょう。
どの程度の通勤時間なら許容範囲かは、独身かどうかで違ってくるようです。独身の方であれば、通勤時間で1時間掛かっても他の条件(たとえば給料が良い、教育体制がしっかりしている等)を重視する傾向にありますが、子育て中のママさん薬剤師の場合は、通勤時間の優先度が上がる傾向にあります。
ご自身の環境と勤務先の条件を見比べながら、どの程度の通勤時間なら許容範囲が可能なのか検討してみてもよいでしょう。
ただし、通勤場所について一点注意点があります。誰だって通勤時間を少しでも短くしたいと思うのが人情ですが、あまりに自宅から近すぎる職場も考えものです。
一つは、その職場を辞めた後、そこに通いづらくなる可能性があることです(ただし、辞め方にもよるのですが)。
もう一つは、あまりに自宅から職場が近いと、その薬局なりドラッグストアの色んな評判が耳に入ってくるようになり、ストレスに感じてしまう薬剤師が少なくない事です。
このため、せっかく自宅近くのお店に就職しても、ストレスに感じて短期間で辞めてしまう薬剤師がかなりいます。
求人先を選ぶ際は、こんな点にも注意してください。
薬剤師の求人先選びで、ある意味最大のポイントと言ってもよいのが、この職場内の雰囲気や人間関係です。よほど精神的にタフな人でない限り、どんなに条件がよい就職先でも長く勤務することは難しいでしょう。
世の中の「ブラックな」職場には過酷な勤務条件の職場がある一方、人間関係がキツイ「ブラックな」職場もあります。できれば、こうした勤務先への転職は避けたいところです。でも、その方法は?
一番の方法は、その職場で働く友人から話を聞くことです。ただし、こんな幸運は滅多にありません。ベタですが有効な解決策の一つは、転職エージェントから事前に話を聞いておくことです。
特に、人の入れ替わりが激しい職場か?継続的に求人募集を掛けている職場かは、確認しておいた方がいいでしょう。継続的に募集を掛けているということは、職場の離職率が高いことが見込まれるからです。
その他の方法として、面接の前に(ないし内定をもらう前に)職場見学をさせてもらうとよいでしょう。職場内がギスギスした雰囲気で働いているか、スタッフが楽しそうに働いているかは、ある程度は確認できます。
もちろん、面接する方の対応も重要なチェックポイントです。職場で威圧的な対応をする上司は、面接でもそうした雰囲気を出してきます。
ただ、面接中は「演技」をする方も多いので、仮に良い印象だったとしても、面接での印象をアテにし過ぎない方がいいでしょう。
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薬剤師の転職サイト、人気ランキング
ここでは、薬剤師が求人・転職活動をする際に、ありがちな悩みについて紹介します。こうした悩みに対する答えは人それぞれですので100%の回答ではありませんが、参考になれば幸いです。
薬剤師だけでなく、サラリーマンも転職活動でありがちな悩みが、在職しながらか退職してからの転職活動はどちらがよいかです。これは、どちらにもメリットがあるので一概には言えません。それぞれのメリットを簡単に列挙してみましょう。
(在職しながらの転職活動のメリット)
・経済的な心配がない
・焦らずじっくり転職活動ができる
・いざとなったら転職しないという選択肢もある
(退職してからの転職活動のメリット)
・転職活動にじっくり時間をかけられる
・平日昼間でも面接を受けられる
・後がない分、真剣に取り組める
どちらにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらがよいとは言えません。とはいえ、もし状況が許すなら「在職しながらの転職活動」をオススメします。というのも、経済的なゆとりがある分、焦って変な勤務先に就職する可能性を減らせるからです。
ただし、次でも触れますが在職しながらにせよ退職してからにせよ、転職活動の期間はある程度期限を決めた方がよいでしょう。
納得のいくまでじっくり転職活動をしたいという方もいるかもしれませんが、転職活動の期間は事前にある程度決めておいた方がよいと思います。これは特に、「退職してから」で言えます。
「退職したから」の転職活動ですと時間の余裕がある分、数多くの転職候補先を選ぶことができます。選択肢が増えてくると、「少しでも条件の良い求人先を・・」と考えるのが人情です。ですが、そうやってより良い条件の求人先を探し出すとキリがないですし、いつまで経っても転職できません。薬剤師の転職活動の期間を聞くと、平均して2~3週間、少し長くて1か月程度です。安易に妥協しないことも大事ですが、慎重になり過ぎないように注意しましょう。
薬剤師は資格職です。このため、それまで企業勤務だった薬剤師の方が、全く未経験の調剤薬局に転職するといったケースは珍しくありません。ですが、同じ薬剤師業務とはいえ全く未経験のジャンルへ転職することは(特に中高年になってから転職なら)不安に感じるのは当然です。
未経験ジャンルへの転職を検討している方にオススメしたいのが、研修制度のしっかりした勤務先です。こうした制度が充実していることが多いのは大手調剤薬局ですから、転職候補先として優先順位を上げた方がよいかもしれません。
もちろん、どの勤務先にも研修制度が充実している訳ではありません。ですので、転職活動時に勤務先の研修体制については事前に確認しておいた方がよいでしょう。特に古くからある中堅には、こうした研修体制が整備されてない時があるので注意が必要です。
薬剤師が限られた時間を転職活動に有効に使うために、積極的に活用したいのが転職エージェントです。転職エージェントは、薬剤師専用の求人支援会社に登録すると担当を付けてもらえます。
転職候補先の情報だけでなく、キャリアプランのアドバイスや面接の指導など多方面のアドバイスをもらえるので、是非活用したいところです。
ただし、担当者の話を多少割り引いて聞く必要があります。特に、転職候補先のアドバイスについてはそうです。薬剤師は、こうした求人支援サポートに対してお金を払う必要がありません。
彼らは、薬剤師の転職が決まった際に勤務先から報奨金を貰っているためです。ですので、担当者が薦める転職候補先の中には、必ずしもオススメとは言えない勤務先も含まれている可能性があるのです。
転職担当者を上手に活用するために、以下の2点をオススメします。一つは、面接アドバイスや履歴書の作成方法など、転職活動についての指導は積極的に受け入れるものの、転職候補先の具体的なアドバイスは一歩引いて聞くことです。
担当者の発言を100%信じるのではなく、改めて自分で考えてみることです。
もう一つは、転職支援会社への登録は1社だけでなく、複数社(3社程度)登録することです。転職担当者が一人だけですと、どうしたって担当者の発言に目が行ってしまいます。ですが、担当者が3人いればそのアドバイスを冷静に比較できます。医師のセカンドオピニオンと同じ発想ですね。是非参考にしてください。
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薬剤師の転職サイト、人気ランキング
薬剤師が転職にあたって気になる点の一つが、年齢による有利・不利はないのか?という点でしょう。転職にあたって年齢が重要な要素になるのは、サラリーマンでも薬剤師でも同じです。
ここでは薬剤師の年代別の求人募集や転職動向について、簡単に説明します。
一般のサラリーマンの転職で一番転職しやすいのは、やはり20代です。一つには年齢が若い方が給料も安くできること、もう一つは「若い方が教育しやすい」といった、雇用する側の理屈があるためです。こうした事情は薬剤師でもある程度当てはまります。
病院・薬局・ドラッグストア・企業など、どの転職先でも20代薬剤師であれば転職しやすいです。中でも有利なのは病院への転職です。病院は4つの転職先の中でも一番ハードな職場ですので、雇用する病院の側でも若い人材を好みます。薬剤師の側から見ても、病院はカルテを直接読めるなど勉強できる機会が多い職場で、20代薬剤師の間でもそれなりに人気のある転職先です。
逆に、20代という年齢がやや不利になる可能性があるのは企業への転職です。企業への転職の場合、前職でどんな経験を積んだかを問われる場合があるためです。もちろん20代であれば、「未経験可」の求人に対する門戸もそれなりに開かれているので、トータルで見れば他の年代に較べて有利です。
一般のサラリーマンでは、前職までの経験がないと転職で不利になることが多い年代です。一方で30代薬剤師の転職事情はずっと楽です。
たとえば、調剤薬局やドラッグストアであれば未経験でも問題なく転職できます。病院への転職は30代ですとハードルは上がりますが、そこまで難しくはありません。とはいえ、30代後半の薬剤師で病院勤務が未経験なのに病院に転職しようとするのは、少し難しいかもしれません。加えて、病院薬剤師は夜勤勤務もあるので、体力的にキツイと感じる方も多いでしょう。
企業への転職は30代前半であればギリギリ、30代後半になると未経験での転職は難しいでしょう。ただ、製薬会社ではなくCRO(治験受託会社)であれば、まだ可能性はあります。
結婚や出産をキッカケとした転職が多いのもこの年代の特徴です。仕事と家庭・育児とのバランスをどう図るかを考え、転職先選びを検討する女性薬剤師は多いです。また、キャリアアップを目的に転職する男性看護師が多いのもこの年代です。
40代サラリーマンの転職は一部の例外を除いて相当厳しいですが、40代薬剤師の転職はそれに較べて相当楽です。とはいえ、病院や企業へ未経験の薬剤師が転職するのはかなり難しいです。
仮に経験があっても、どんな経験・スキルを持っているかは問われますし、転職先の業務と関連が薄いと判断されれば採用は難しいでしょう。
調剤薬局やドラッグストアであれば、たとえ未経験でも転職は難しくありません。ですが、40代薬剤師の転職の場合、むしろ転職してからの問題があります。
新しいジャンルの仕事に飛び込むと、かなりの勉強量を要求されますので、それなりの覚悟がいります。実際、40代で未経験の調剤薬局に転職した薬剤師の方が、日々の勉強と仕事に追いつけず、短期間で辞めてしまうケースもあります。
この年代の転職となると、調剤薬局やドラッグストアしかないでしょう。幸い、薬剤師の求人市場は圧倒的な「売り手市場」ですので、条件さえこだらなければ転職自体は難しくありません。問題はむしろその先にあります。
この年代の薬剤師は、たとえ転職してもその勤務先で長く働けずに退職してしまうことが少なくありません。理由はいくつかあるのですが、年下の「先輩」薬剤師に教えを乞うことができず、仕事が回らなくなってしまうケースが多いようです。
この年まで薬剤師をしていたということは、何らかのジャンルでそれなりの経験を積んでいるはずで、そうした経験にプライドも持っているはずです。
ですが、そうした知識や経験が新しい転職先では、すぐには役に立たない可能性もあります。そんな時必要になってくるのは、「腰の低さ」・「柔軟さ」・「周りに溶け込む能力」だったりします。
コミュニケーション能力と言い換えてもいいでしょう。年齢が上だからといって傲慢にならず、年下の相手にも素直に頭を下げられる柔軟さを持っているかどうかが、この年代での転職では重要になります。