薬剤師の仕事にはたくさんの「やりがい」があります。ただ、日常的に業務をこなしていると、「何かやりがいがあるのかな?」と感じてしまうこともあるでしょう。ここでは薬剤師の仕事にどんなやりがいがあるのかを探っていきます。
すでに薬剤師として働いている方、これから薬剤師を目指す方、仕事のやりがいを求めて転職を考えている方は、ぜひご参考になさってみてください。
目次
薬剤師のやりがいとは
一般的に見た薬剤師の仕事のやりがいは、大きく分けて3つあります。
1.患者さんの役に立てる
2.医療全般に貢献できる
3.給与レベルが高い
まずはこの3点について詳しく見ていきたいと思います。
患者さんの役に立てる
薬剤師の多くが仕事のやりがいでトップに挙げるのが、「病気やけがで苦しむ患者さんの役に立てる」ということです。
調剤業務やお薬相談などを通じて、薬剤師は患者さんとコミュニケーションを持つ機会が多数あります。患者さんから「お薬をいただいて症状が改善されました」や「お蔭さまで本当に良くなりました」という言葉を掛けられると、この仕事をしていてよかったと感じる薬剤師は多いものです。
こうした「患者さんの役に立てた」という実感が仕事のやりがいになり、これからも頑張っていこうというモチベーションにつながっていくというわけです。
医療全般に貢献できる
薬剤師は「日頃の仕事を通して医療全般に貢献できる」というやりがいがあります。
処方箋薬や一般医薬品を服用した患者さんから効果や副作用を聞き取り、それを医師や製薬会社にフィードバックすることによって薬剤の進歩や改善に貢献できるのが薬剤師の仕事です。
お薬は単に作っただけでは意味がありません。効果や副作用を知ることによって本当に患者さんの役に立つという意義を持つことができます。その意味でも薬剤師は仕事を通じて医療全般に貢献できるというやりがいがあるのです。
給与レベルが高い
薬剤師の仕事のやりがいのひとつが「給与レベルが高い」という点です。
現状、薬剤師の7割は女性が占めていますが、その平均年収は約510万円という調査結果が出ています。これは看護師の約511万円とほぼ同レベルで、女性の年収としては高レベルといえるでしょう。
薬剤師の仕事は経験や実績、勤務先によっては年収700万円超というケースも見られます。仕事のやりがいのすべてがお金というわけではありません。しかし専門職として働きに見合った収入を得られるというのはやりがいにつながるはずです。
職場ごとの薬剤師のやりがい
薬剤師の主な職場である調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業について、それぞれの「仕事のやりがい」を見ていきましょう。
調剤薬局
調剤薬局で働く薬剤師がやりがいを感じられるのは、「患者さんと直接触れ合える」という点です。医師の処方箋にしたがった調剤業務でも、患者さんにお薬を直接的に手渡すことで、その効き目や症状の改善度などを直接聞き取ることができます。
また服薬指導や飲み合わせのアドバイス、健康相談などをすることにより、患者さんの症状改善に役立っていることなどを含めて、仕事のやりがいを感じる薬剤師が多いのも事実です。
「患者さんからお薬の効果で体調が良くなったと言われるとやりがいを感じます」
「処方箋薬の副作用で悩んでいる患者さんの声を医師に伝え、その提案によって副作用がなくなったと聞いたときに仕事のやりがいを実感しました」
ドラッグストア
ドラッグストアには調剤併設型とOTC型の2種類がありますが、どちらにも薬剤師としての仕事のやりがいがあります。
調剤併設型ドラッグストアでは、薬剤師は調剤薬局と同様の業務を担当します。患者さんから調剤したお薬の効果で病状が改善したという話を聞くと、仕事にやりがいを感じるという薬剤師がたくさんいます。
OTC型ドラッグストアでは、薬剤師自身がお客様に合わせた一般医薬品を提案できるというやりがいもあります。
「お客様の健康相談を聞き、お勧めした医薬品に効果があったという感謝の言葉を受けたとき仕事のやりがいを感じました」
「ドラッグストアは給与が高いというのも仕事のやりがいになっています」
病院やクリニック
病院やクリニックには、薬局・ストアとは違った仕事のやりがいもあります。1つめは医師や看護師などのスタッフと共にチーム医療を担うことができるという点です。薬剤師の立場から薬物療法に関する提案を行なうこともでき、大きなやりがいを感じている薬剤師もたくさんいます。
2つめは病棟薬剤師などとして、患者さんとダイレクトに接する業務ができるという点です。入院中の患者さんの病状改善に直接的に関われるというのは大きなやりがいにつながります。医師や看護師、療法士などと信頼関係を築けるのも仕事のやりがいのひとつでしょう。
「薬剤師としてチーム医療の一員になれると実感できるのが仕事にやりがいになっています」
「カルテの読み方を覚えられるなどスキルアップできるのもやりがいなります」
企業
製薬会社やCRO(治験受託会社)などの企業で働く薬剤師もいます。いずれも新薬開発などに携わる仕事ですが、やりがいを感じる人が多いという特徴があります。
1つめのやりがいは新薬開発に関わり、病気や体調不良で苦しむ人をサポートできるという点です。新薬の商品化までには多数の人が携わっていますが、薬剤師として貢献できるのは大きなやりがいといえるでしょう。
2つめは医薬品に関連する最前線で活躍できるという点です。企業勤務の薬剤師の仕事としてはMRやCRAなどがありますが、いずれも医薬品の最前線に関われる職種です。こうした仕事には調剤や販売にはない別のやりがいを感じる薬剤師が多いのです。
「自分が関わった新薬が国から許可が下りると仕事のやりがいを実感できます」
「新薬開発チームが一丸となって仕事をするという雰囲気にやりがいがあります」
やりがいを感じないと思ったら転職もあり!
薬剤師で仕事にやりがいを感じられないなら、ほかの職場への転職という選択肢もあります。転職する薬剤師の理由で多いのは「給与」「人間関係」「労働条件」ですが、「仕事のやりがいを感じられない」という理由も上位にランキングされています。
やりがいを感じられない理由
薬剤師が仕事にやりがいを感じられない理由として次のものが挙げられます。
毎日が単調でやりがいがない
仕事がルーティン化してしまうと、単調でやりがいが感じられなくなります。例えば処方箋の調剤を機械的にこなす毎日だったり、患者さんと直接話すことがない職場だったりすると仕事にやりがいを感じられない薬剤師もいるようです。
いくら頑張っても昇給しない
薬剤師として経験もスキルもあり、毎日頑張って働いていても給料が上がらないと仕事にやりがいを感じられなくなります。そうなると将来性のない職場という判断もできるわけで、より良い職場に転職するという決断をすることになるでしょう。
職場環境や人間関係が悪い
オーナーがワンマン社長で無茶な要求をしてばかりだったり、職場の人間関係のトラブルが頻発するようなら仕事にやりがいを感じなくなることが多いようです。職場環境や人間関係が悪いと良い仕事をすることはできません。やりがいもなくなり転職という結果になります。
ほかにも、キャリアアップが期待できない職場、出産や子育てに理解がない職場、スキルアップの機会がない職場、人手不足で忙しすぎる職場などに仕事のやりがいを感じられない薬剤師も少なくありません。
せっかく就職した職場だからと我慢を重ねていると精神的なストレスが溜まったり、それが原因で体調を崩してしまう薬剤師もいます。仕事にやりがいを感じないと思ったら転職を考えてみるという方法も問題解決には有効です。
薬剤師で仕事にやりがいを感じられる職場に転職したいなら、薬剤師専門の転職支援会社を活用してみてはどうでしょうか。薬剤師専門の転職支援会社なら、自分の希望条件に合った求人先を見つけやすくなります。

- 薬剤師がやりがいを感じられる三大要素がある
- 患者さんの役に立てる、感謝される
- 薬剤師の立場から医療全般に貢献できる
- 給与レベルが高くキャリアアップも可能である
- 仕事にやりがいを感じられないなら転職もアリ
- 転職には薬剤師専門の転職会社を活用しよう
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