【分かりやすく解説】薬剤師の絶対的欠格事由とは?

薬剤師,欠格事由

薬剤師は国家試験に合格することで薬剤師免許を取得できます。

しかしある条件に当てはまると、苦労して国家試験に合格しても、薬剤師免許が取得できません。


それが「絶対的欠格事由」に当たるケースです。今回は、薬剤師になる上で重要となる、薬剤師の絶対的欠格事由をわかりやすく解説します。


「欠格事由」ってどんなもの?

欠格事由とは

「欠格事由」という言葉は法律用語ですので、一般にはあまり使われないため、少し分かりにくい部分があるかもしれません。

いったいどのような意味なのでしょうか?

「欠格事由」とは

欠格には「資格に欠ける」、事由には「原因や理由」という意味があります。

つまり欠格事由とは、「何らかの目的のために必要とされる条件を欠いている」ことを指します。


例えば何らかの免許等を取得しようとする場合、免許取得に要求されている資格に欠ける理由があることを、法律用語では「欠格事由がある」といいます。

「相対的欠格事由」と「絶対的欠格事由」の違いは?

欠格事由には、「相対的欠格事由」と「絶対的欠格事由」があります。

相対的欠格事由は、欠格事由に当てはまっても、場合によっては資格が認められる場合があります。


それに対して絶対的欠格事由は、その欠格事由に当てはまると直ちに欠格となるものです。

つまり、欠格事由に当てはまると必ず資格を喪失するのが絶対的欠格事由で、場合によっては欠格とはならないものが相対的欠格事由です。

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「欠格事由」は差別になる?

欠格事由の中に、身体または精神の障害を掲げる項目があった場合、差別につながるという意見があります。

欠格事由に当てはまる障害者や支援団体は、差別につながる欠格事由の再検討や撤廃を求めています。


平成11年には、政府によって「障害者に係る欠格条項の見直しについて(障害者施策推進本部決定(平成11年8月9日))」という決定が行われ、障害を欠格事項とする制度に関しての見直しが進められました。

それにより、欠格事項の内容に障害がかかわる63の制度について、再検討が行われました。


薬剤師の絶対的欠格事由とは?

薬剤師,絶対的欠格事由

薬剤師は薬と人の命を扱う責任ある仕事です。そのため、薬剤師法によって欠格事由が定められています。

薬剤師の絶対的欠格事由は?

薬剤師法4条には「未成年、成年被後見人、被保佐人は薬剤師になれない」という絶対的欠格事由が定められています。

このうち未成年とは、20歳の誕生日を迎えていない人のことを指します。


また成年被後見人とは、精神上の障害や知的障害などで判断能力を欠き、家庭裁判所で後見開始の審判を受けた人のことです。

成年被後見人には後見人が付き、財産管理や成年被後見人の取消権など、様々な代理権が与えられます。


後見人が必要だと裁判所から判断を受けた成人が、成年被後見人となります。

また、被保佐人とは、成年被後見人とほぼ同様の欠格事由です。


精神障害や知的障害で日常の判断能力を欠き、家庭裁判所で補佐開始の審判を受けた人を指します。

これら3つのうちどれかに当てはまった人は、絶対的欠格事由に該当するため、薬剤師の資格を取得できません。

<参考サイト>:薬剤師法|e-Gov法令検索

薬剤師の相対的欠格事由は?

薬剤師法5条で定められている相対的欠格事由は「心身の障害、麻薬、大麻、あへん中毒、罰金刑以上の刑に処せられたもの、薬事に関する犯罪、不正を行った者には、免許を与えないことができる」というものです。

これらの項目に当てはまった場合は、免許が与えられないことがあります。


このうち「心身の障害」は、医師の診断によって、薬剤師の仕事を適切に行える能力があるかどうかで判断されます。

心身の障害により著しく判断能力が低下していると認められた場合は、免許はく奪の可能性があります。


しかし、治療や適切な処置で障害を補うことができる場合は、状況が考慮されて処分が軽減されることもあります。

また薬剤師が麻薬中毒になった場合は、免許取り消しや薬剤師名簿からの削除といった厳しい処分が下されます。


その他にも、懲役や禁固、罰金刑で有罪判決を受けた者、薬事法違反行為や、行政処分が絡む犯罪や不正行為を行った者も同様に相対的欠格事由に該当するため、処分を受けることとなります。

相対的欠格事由に該当する場合は、戒告・3年以内の業務停止・免許取消など状況に応じて処分が変わります。


薬剤師の欠格事由について、もっと詳しく!

 
薬剤師,欠格事由の詳細

薬剤師の欠格事由は、該当すれば薬剤師の仕事ができなくなる重要な問題です。

薬剤師の欠格事由についてさらに深く知るためのポイントや、欠格事由に該当した場合の状況などについてまとめました。

いつ・誰が判断するの?

薬剤師の欠格事由に該当するかどうかは、厚生労働大臣が決定します。

絶対的欠格事由の場合、そもそも未成年は受験段階で資格がないため免許取得ができませんが、成年被後見人や被保佐人となった場合は、厚生労働大臣の判断によって免許が取り消されます。


また相対的欠格事由の決定も、厚生労働大臣の担当です。

薬剤師が相対的欠格事由に抵触した場合、都道府県知事から厚生労働大臣に報告が上がります。


その内容を検討した上で、相対的欠格事由に基づき、厚生労働大臣が処分を下します。

相対的欠格事由に該当したらどうなる?

相対的欠格事由に該当する事由が起こった際、既に薬剤師免許を取得していた場合は「戒告」「3年以内の業務停止」「免許の取り消し」のいずれかの処分が科される場合があります。

処分の内容は厚生労働大臣の決定によるため、必ずしも免許が取り消されるわけではありません。


様々な状況から判断した上で、3つの中から状況に合わせた処分が行われます。

また、相対的欠格事由に該当したケース以外にも、薬剤師としての品位を損なう行為があったと認められた場合、同様の処分が適用されることがあります。

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薬剤師免許は復活できる?

絶対的欠格事由や相対的欠格事由に抵触したことで薬剤師免許が取り消された場合、薬剤師免許が復活する可能性はゼロではありません。

欠格事由に該当しなくなった場合は、その後の状況や個々の事情などを十分検討したうえで、再免許が与えられる場合があります。


しかし免許取り消しの処分を受けた者の中には、再免許を取得するにあたって一定年数の経過が必要などの条件が与えられている場合があります。

このように、一度薬剤師免許を喪失した後、再免許が与えられるのは非常に難しいことです。


薬剤師として安定して働き続けるためには、欠格事由には十分注意しておく必要があります。

<この記事のまとめ>

  • 薬剤師試験に合格しても、欠格事由により免許が取得できないことがある
  • 欠格事由には、相対的欠格事由と絶対的欠格事由の2種類がある
  • 絶対的欠格事由に該当すると、免許取得は不可となり、所持者は免許がはく奪される
  • 相対的欠格事由に当てはまった場合は、状況によって処分が変化する
  • 欠格事由に該当した場合の処分を決定するのは厚生労働大臣
  • 相対的欠格事由による免許取り消しの場合、状況に応じて再交付されることもある

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