薬剤師国保と社会保険、お得なのはどっち?

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病院を受診する際には「健康保険」が欠かせませんね。

国民健康保険(国保)や社会保険(社保)など、健康保険にはいくつか種類がありますが、薬剤師には「薬剤師国保」に加入するという選択肢もあります。


では、薬剤師国保とはどのようなものなのでしょうか。

薬剤師国保のメリット・デメリットや、薬剤師国保に加入する際の注意点について見ていきましょう。


「薬剤師国保」ってどんなもの?

薬剤師国保とは

「薬剤師国保」とは、薬剤師が加入することができる健康保険です。

では、薬剤師国保とは一体どのようなものなのでしょうか。

そもそも、健康保険とは?

日本では、国民全員を公的な医療保険で保障するための「国民皆保険制度」が設けられています。

国民は複数ある公的医療保険(健康保険)から1つ選んで加入することで、医療費の自己負担額を軽減させることができます。


つまり、健康保険に加入していれば、高度な医療を安く受けることができるということです。

国民皆保険制度を維持するには、すべての国民が保険料を納める必要があるため、国民は必ずどこかの健康保険には加入しなければなりません。


健康保険は加入条件によってさまざまな種類があります。代表的な健康保険には、次のようなものがあります。

・国民健康保険(国保):すべての国民が加入できる

・社会保険(社保):民間企業などで働く人が加入できる

・協会けんぽ:民間の中小企業などで働く人が加入できる

・全国国民健康保険:全国国民健康保険組合加盟者が加入できる

・その他:共済組合保険、船員保険、日雇健康保険など


薬剤師国保って何?

薬剤師は、勤務先によっては社会保険や協会けんぽに加入することができますが、「薬剤師国保」という健康保険に加入することもできます。

薬剤師国保とは、「薬剤師国民健康保険」の略称で、薬剤師が加入できる健康保険です。


運営団体は全国各地の薬剤師国民健康保険組合で、社団法人・全国国民健康保険組合協会(全協)の加盟組合の1つです。

薬剤師国保は、名前に「薬剤師」と入っているものの、すべての薬剤師が加入しなければならないというわけではありません。


また加入条件を満たさなければ、薬剤師でも加入することができないということに注意が必要です。

<関連サイト>:東京都薬剤師国民健康保険組合

薬剤師国保の加入条件は?

薬剤師国保の運営は都道府県・市町村単位で行われているため、基本的にはそれぞれの組合(都道府県・市町村)で定める範囲に住所を持つ人しか加入することができません。

また、組合によって加入条件が異なることに気を付けましょう。


例えば、東京都薬剤師健康保険組合の加入条件は次のようになっています。

・東京都薬剤師会の会員であり、東京都内にある薬局もしくは医薬品販売業の開設者

・東京都薬剤師会の会員であり、薬剤師の業務に従事する人

・組合員が開設する薬局もしくは医薬品販売業などの従業員


ただし、これらの条件を満たしていても、従業員が5名以上の場合は協会けんぽへの加入が必須ですので、薬剤師国保には加入することができません。

薬剤師国保は、従業員が5名未満の薬局などに勤める薬剤師やその他の従業員が加入できる健康保険というわけです。

<関連記事>:保険薬局と調剤薬局の違いを詳しく解説します!


薬剤師国保と社会保険どっちがお得?

薬剤師国保,社会保険

薬剤師の就職先を考えると、薬剤師国保か社会保険のどちらかに加入するケースが多くなります。

この2つにはどのような違いがあり、どちらがよりお得なのでしょうか?

薬剤師国保の特徴は?

健康保険は加入者の収入によって保険料が異なるものが一般的ですが、薬剤師国保の保険料は定額です。

そのため収入によっては、薬剤師国保の方が社会保険よりも保険料が少なくて済むというケースもあります。


収入が高めの薬剤師の方にとっては大きなメリットですね。

薬剤師国保について知っておくべきデメリットとしては、「保険料を加入者が全額負担すること」が挙げられます。


社会保険では加入者1人分の保険料でその家族にも健康保険が適用されますが、薬剤師国保の場合は人数分の保険料を、加入者がまとめて支払う必要があります。

また社保には厚生年金の保険料も含まれていますが、薬剤師国保には年金が含まれていません。


自分で国民年金に加入する必要があるので注意しましょう。

社会保険の特徴は?

社会保険(社保)の最大のメリットは、健康保険と厚生年金の保険料を半額しか負担しなくてもよいという点でしょう。

残りの半額は雇用者(法人)が負担してくれます。また、国民健康保険(国保)や薬剤師国保とは異なり、「扶養」という考え方があります。


社保の場合、どれだけ扶養家族の人数が多くても、健康保険や厚生年金の保険料が増えません。

扶養家族が多い薬剤師にとっては重要なポイントですね。


一方、社保の保険料は収入によって変動します。給与が高ければ保険料も高くなるという点は、社保のデメリットといえるでしょう。

<関連記事>:薬剤師の年金はどんな種類があるの?

薬剤師国保と社会保険、どっちに入るのが良いの?

薬剤師国保と社会保険について、それぞれのメリット・デメリットを見てきましたが、どちらに加入するとよいかは一概に言い切ることはできません。

人によって収入も違いますし、扶養家族の数も異なります。


また、それぞれの地域の組合で保険料が異なるという点も考慮しなければなりません。

勤務する地域の薬剤師国保について確認し、国民年金の保険料も考えた上で、社会保険と比較してみましょう。


薬剤師国保への加入、注意点は?

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薬剤師国保と社会保険を比較した結果、「薬剤師国保に加入したほうが良さそう」と判断する方もいるでしょう。

薬剤師国保に加入する際には、どのような点に気を付けるとよいのでしょうか。

薬剤師国保と社会保険、自分の好きな方を選べるの?

薬剤師国保に加入できるのは「従業員が5名未満」「地域の薬剤師国民健康保険組合に加入している薬局など」といった条件を満たした事業所のみです。

また、従業員が5名以上の事業所は協会けんぽに加入する必要がありますし、大手企業であれば企業独自の社会保険(組合健保)が組織されています。


このように、就業先によって加入することができる健康保険は異なり、労働者がどの健康保険に加入するか選ぶことは、基本的にはできません。

就職や転職の際に、「薬剤師国保に加入したい」「社保に加入したい」という希望がある場合は、就職や転職を考えている企業・事業所に、前もって確認しておきましょう。

家族全員が加入するの?

薬剤師国保は、社会保険加入者を除き、世帯全員が加入します。

薬剤師国保は家族の分の保険料を人数分納めなければならないので、人数が多い場合はその分負担が大きくなるという点に注意が必要です。


東京都薬剤師国民健康保険組合に加入している事業主が経営する事業所で勤務する薬剤師の場合、保険料の負担は次のようになります。

保険料 後期高齢者支援金 合計
単身世帯
(薬剤師本人のみ)
21,500円 3,500円 25,000円
2人家族
(本人含む)
30,500円 7,000円 37,500円
3人家族
(本人含む)
39,500円 10,500円 50,000円
4人家族
(本人含む)
48,500円 14,000円 62,500円
5人家族
(本人含む)
57,500円 17,500円 75,000円
6人家族
(本人含む)
66,500円 21,000円 87,500円

(本人および家族が40歳未満の場合)

<関連記事>:パート薬剤師の悩み、年収次第で扶養から外れる?

勤務先を退職したらどうなるの?

勤務先で薬剤師国保に加入していた場合、その勤務先を退職すると、薬剤師国保から脱退しなければなりません。

薬剤師国保から脱退する手続きは、退職の14日以内に事業主が行なうことになっています。


この手続きに被保険者証(保険証)が必要ですので、必ず事業主に渡すようにしましょう。

また、子供が結婚で別世帯になったり、配偶者が社会保険に加入した場合、その家族も薬剤師国保から脱退することになります。


この場合も、該当する家族の被保険者証を返却する必要があるので、忘れないようにしましょう。


<この記事のまとめ>

  • 薬剤師国保は、条件を満たす薬剤師などが加入することができる健康保険
  • 薬剤師国保の保険料は定額で、収入によっては社会保険より保険料を安くできる
  • 社会保険は健康保険と厚生年金の保険料を労使折半でき、扶養家族が何人いても保険料が変わらない
  • 薬剤師国保と社会保険のどちらが良いかは、収入と扶養家族の人数によって異なる
  • 健康保険の種類は勤務先によって異なるので、就職・転職の際には事前に確認する

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