薬剤師、新人1年目で転職するのはマズい?



薬剤師の国家試験に合格し、薬学部を無事に卒業して4月から就職したものの、職場になじめずに1年もたずに辞めてしまう新人1年目の薬剤師も少なくありません。

彼らにとって色々不安の種はありますが、共通しているのは「やっぱ1年目で転職するのって不利なの?」という点です。

ここでは、「薬剤師1年目での転職は不利なのか」、「それでも転職するなら、どういった点に注意すればよいか」などを紹介してします。


薬剤師1年目での退職は不利

まず、みもふたもない現実からお知らせします。新人1年目での薬剤師の退職は、その後の転職活動という点でかなり不利です。とはいえ、これは薬剤師に限った話ではなく一般のサラリーマン・OLでも同じです。

こう書くと疑問に思う方もいるかもしれません。「いや、別に有利になるとは思ってなかったけど、そんなに不利なの?第二新卒なんて言葉があるし、転職活動でも不利な扱いは受けないんじゃない?」と、こう思う方もいるかもしれません。そこで、こんな例で考えてみましょう。



あなたが病院の採用担当者で、経験4年目の薬剤師2人と面接します。一人は前の職場で3年間きっちり勤めた人で、もう一人は3年間に4回も職場を変えた薬剤師です。一人しか採用できないとしたら、あなたはどちらを採用したいですか?


どちらも同じ位の能力だったら、たいていの人は3年同じ職場に勤務した薬剤師を採用したいと思うでしょう。転職回数の多い薬剤師も、新しい職場への適応能力が高い人かもしれません。ですが、せっかく新しいことを教えても短期間で辞めたしまうかも、と考えると積極的に採用したいと思う方は少ないはずです。


新人1年目の薬剤師の退職に良いイメージを持てない採用担当者が多いのも同じ理由でして、「せっかく採用しても半年程度で辞められたらなぁ・・・」と思うと、採用に二の足を踏む担当者も少なくないのです。



もちろん、1年目で退職した新人薬剤師にも相応の理由があったはずです。厳しい国家試験を通過して薬剤師になったのですから、安易な理由で退職する人は少ないでしょうし、中にはよほど過酷な職場だった方もいるかもしれません。

ですが、そうした「特殊な事情」を転職先の採用担当者は理解してくれません。年配の担当者なら特にそうです。いくら止む無い事情があったにせよ、目の前にある現実は「1年未満で退職した薬剤師」であり、こちらの事情を同情してくれるとは限りません


可能なら、最低1年は我慢すること



上で書いた通り、1年未満での退職は次の転職活動で、かなり不利です。ですので、これを読んでいる方で「まだ退職してないけど、退職しようか迷っている」という方がいましたら、できる限り辞めないことをオススメします


1年未満の退職が不利ということもありますが、なんとか1年勤めきれば2年目になります。この「1年目での退職」と「2年目での退職」というだけで、期間にすると数か月の違いしかないのに、履歴書上の扱いがかなり違うのです。

2年目になったからの退職であれば、その後の転職活動でも「とりあえず、1年は勤めたんだな」と、転職先の採用担当者の印象も違います。もちろん、3年間勤務することに較べれば評価は落ちますが、1年目で退職することに較べれば断然評価は違います。



加えて、あともう少し我慢すれば状況が変わるかもしれません。4月になれば新人が入ってきて、雑用から解放されるかもしれません。4月になれば人事異動で、嫌な上司が異動するかもしれません。退職を考えるということは今の職場に不満があるからでしょうが、そうした「ストレス要因」があと数か月でなくなるかもしれません。


以上見てきたように、苦しくてもせめて4月までは、辞めずに今の職場で頑張ることをオススメします。実際、薬剤師でも看護師でも、「1年目は毎日辞めることを考えていたけど、気が付いたら5年勤めていた」なんて方も意外に多いのです。


それでも無理なら、すみやかに転職準備に入ること

以上、「次の転職活動」という観点からのアドバイスでした。ですが、中には「次の転職が多少厳しくなるのは分かるけど、それでも今の職場に耐えられない」という方もいると思います。


そういう方は思い切って辞めることをオススメします。繰り返しになりますが、新人薬剤師の退職は次のキャリアに不利です。

それでも、無理して今の職場に勤め続けて精神的に不調をきたしたり、ウツ病になってしまっては元も子ともありません。一度ウツ病になってしまうと、社会復帰できるようになるまで長い時間(3年程度)かかる場合もあるからです。


ですので、今の職場がどうしても苦しいという場合は無理をしないことを薦めますが、一点だけ注意点があります。それは、退職準備を始めると同時に、次の転職活動の準備を始めることです。

中には、「就職して色々ストレスも多かったから、3か月から半年程度お休みしたい」と考える方もいますが、決してオススメできません。


というのも、採用担当者は職務経歴書の「空白期間」を何より嫌うからです。本人にとっては単なる「リフレッシュ期間」のつもりだったかもしれませんが、採用担当者から見ると評価を下げる対象になりかねません。

今の職場でストレスを抱えて少し休みたい気持ちも分かりますが、職歴での空白期間をなるべく空けないよう気を付けましょう。


1年目薬剤師にオススメの転職先は?



では、新人1年目で転職するとして、薬剤師としてどんな職場に転職するべきでしょうか?


ご存じの方と思いますが、新卒薬剤師の一番人気の就職先は病院です。

カルテを直に読めるため、治療工程における自分の仕事の立ち位置を理解しやすく、調剤薬局では扱わないような薬剤(注射薬など)も扱えるなど、仕事のやりがいという点では一番でしょう。

また、研修制度などを充実させている病院施設も多く、薬剤師にとって学習機会が最も高い職場と言えます。


その反面、仕事はとてもハードで休みも少なく、その割にお給料は低いです。また、病院には気の強い方が多いこともあり、人間関係で苦労することも少なくありません。

とはいえ、成長機会という点で転職先を考えると、若手薬剤師にとってオススメの転職先は病院(とくに急性期病院)です。ただ、地方の公立病院は人手不足の上に給料がさらに低いので、さすがに避けた方がいいかもしれません。

<関連記事>調剤薬剤師から病院薬剤師への転職は大変?


では、病院以外にオススメの転職先としてどこがあるのでしょうか?それは、大手調剤薬局チェーンです。一口に調剤薬局といっても、小さな門前薬局や中堅(3~5店舗)薬局チェーンもありますが、ここでオススメしたいのは50店舗以上の大型チェーンです。

理由はいくつかありますが、一つは研修制度など学習機会が最も充実しているのが、こうした大手薬局チェーンだからです。

それだけに日々の勉強に付いていくのは簡単ではありませんが、今後のキャリアも考えた場合、仕事の選択肢の幅を広げることにもつながります。

また、福利厚生や給与面でも充実しています。病院と比較すると、同じ年代で年収ベースで100万以上の差が出ることも珍しくありません。

<関連記事>
薬剤師が調剤薬局へ転職する時の注意点は?


以上見てきたように、新人1年目の転職先としてオススメなのが、急性期病院か大手薬局チェーンです。ただしこれは、「学習機会」・「成長機会」という点から見た転職先選びでして、誰にとってもこれが正解とは限りません。

以下では、違う点から検討します。


転職先選びで大事なのは「働きやすさ」



先ほどは、学習機会という観点からの転職先選びを紹介しました。ですが、1年目薬剤師で次の転職先を探している方で、誰もが成長機会を求めている訳ではないはずです。

特に、前の職場で厳しい人間関係のためにウツ病寸前まで追い込まれていた人にとっては、とりあえず無難に働ける場所にという意識が強いはずです。


1年目で退職した薬剤師の方に知って頂きたいのは、次の転職先には最低でも3年勤める覚悟で転職先を探すべきです。

確かに1年目で退職するのは次の転職に不利ですが、これだけ薬剤師が人手不足の状況ですので、致命傷というほどではありません。ですが、次の職場も1年未満で退職するとなると、かなりの危険信号です。


もちろん、それでも次の転職先も見つかるでしょう。ですが、ここまで来ると薬剤師として優良な転職先に就職することは難しくなり、一般の薬剤師が敬遠するような「訳あり」の求人先ばかりが残ることになります。

ですので、次の転職先選びは一層慎重に行う必要があります。


先に挙げたような、学習機会に焦点を絞って転職先を選ぶのも一つの選択肢です。ですが、バリバリと働くような職場は自信がないという新人薬剤師の方は、学習機会よりも「働きやすさ」や人間関係にこだわった方がいいかもしれません

働きやすい分、学習機会という点では物足りなさを感じるかもしれないので、全員にとってこれが正解とは言いません。ですが、次の職場で少しでも長く働きたい方は検討する価値はあります。


では、働きやすい転職先を選ぶには、どうすればよいでしょうか?

働きやすい職場を探すには?

まず、働きやすい職場を探すのは簡単ではありません。というのも、それぞれの職場によって状況が違うため、一括りにすることができないためです。

たとえば、ある小さな門前薬局は少人数で、働いているスタッフも優しく働きやすい職場かもしれません。同じ規模の別の門前薬局では、少人数であるものの中の人間関係がギスギスしていて、却って働きづらいかもしれません。

つまり、外見だけでは「働きやすい職場」かどうかは分かりません。では、どうやって見分ければよいでしょうか?ここでは、2点アドバイスをします。


一つは、面接や職場見学での見極めです。面接での採用担当者が横柄な態度を取る職場なら、転職は考え直した方がいいでしょう。もっと大事なのは、内定前の職場見学です。職場見学でスタッフの様子がぎこちなかったり、雰囲気が悪いようなら要注意です。


もう一つは、薬剤師転職サイトに登録して担当エージェントのサポートを受けることです。

担当エージェントには自分の希望を伝えることができるので、これまでの経緯を説明して、人間関係の良い職場・長く働き続けられそうな職場を紹介してくれるようお願いしましょう。


以上の2つでも絶対に良い転職先が見つかるとは限りませんが、少なくとも失敗する確率を相当下げることはできます。次の転職で失敗しないためにも、是非参考にしてください。なお、オススメの薬剤師転職サイトは下記で紹介してますので確認してくださいね。

<新人1年目の薬剤師の転職、まとめ>

  • 新人1年目での転職は不利だが、無理はしない方がいい
  • 学習機会で考えると、オススメの転職先は急性期病院か大手薬局チェーン
  • ただし、次の職場選びは学習機会よりも「働きやすさ」を優先した方がよいかも
  • 転職先の面接や職場見学で、職場の雰囲気を必ず確認すること
  • 転職支援会社を活用して、働きやすい職場を紹介してもらうとよい

 薬剤師の転職サイト、おすすめ人気ランキング!



薬剤師の転職サイト、おすすめは?



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です