薬剤師の在宅業務ありの求人、注意点は?



薬剤師求人で調剤薬局から「在宅業務あり」という内容の募集があるのをご存知でしょうか。在宅業務とは薬剤師が患者さんや高齢者施設を直接訪問して服薬指導や薬剤管理などを行なう仕事のことです。

在宅業務は社会の高齢化とともに需要が伸びており、薬剤師の新たな分野の仕事として注目されています。

ここではその薬剤師の在宅業務の仕事について詳しく紹介しています。薬剤師で在宅医療に関心のある方、調剤や販売だけでは物足りないと感じている方は、ぜひご参考になさってみてください。


薬剤師、在宅業務の仕事内容は?



薬剤師の在宅業務は、まだ一般には広く知られていない仕事ですが、具体的にはどのようなことをするのでしょうか?

・医薬品の調剤とお届け
薬剤師は医師の処方箋に基づき、患者さんの状態に応じた調剤を行ないます。その薬を患者さんの自宅や高齢者施設・介護施設など依頼者のもとに届けます。

・服薬指導と医薬品の管理
お届けした薬を患者さんが安全かつ安心して服用できるよう、薬の飲み方をアドバイスしたり、効果や副作用などについて説明します。合わせて残薬の確認や整理、服用状況の確認などを行なうのも業務のひとつです。

・患者からの相談に対応
患者さんやご家族から薬に関する相談があった場合、薬剤師の立場から質問に答えたり改善策などを提案します。

・医師やケアマネジャーとの連携
患者さんを担当している医師やケアマネジャーなどと情報を共有し連携を取ります。薬剤師の立場から担当医に対して最適な処方の提案や、担当ケアマネジャーなどに対して薬剤に関するアドバイスを行なうこともあります。

以上が在宅業務の薬剤師の主な仕事内容です。単に患者さんに薬を届けるだけではなく、さまざまな役割を担う仕事ということがお分かりいただけると思います。


在宅業務ありの求人先は?

在宅業務ありの求人先にはどんなところがあるのかを見ていきましょう。

薬剤師の在宅業務あり求人の動向

以下の表をご覧ください。

正社員求人数 在宅業務あり
調剤薬局 24,073 6,213
病院 3,419 68
調剤併設DS 2,296 700
OTC販売(DS) 1,066 113
企業 641 12

(調剤併設DSとは、調剤併設型ドラッグストアのこと)


この表は薬剤師の勤務先別の正社員求人件数と、在宅業務ありの正社員求人件数をまとめたものです。

薬剤師の在宅業務ありの求人先は、調剤薬局と調剤併設型DS(=調剤併設型ドラッグストア)がほとんどです。現状では病院や企業からの求人はごく少なく、OTC販売(=ドラッグストア)もそれほどの件数はありません。


次に、求人先別の在宅業務の薬剤師求人について見ていきます。

求人件数が最も多いのは調剤薬局

薬剤師正社員の在宅業務あり求人で、最も件数が多いのは調剤薬局です。求人件数に占める在宅業務の割合は調剤併設DSに次いで2番目ですが、求人件数自体が圧倒的に多いので在宅業務ありの求人先を探すなら調剤薬局がねらい目です。

調剤併設DSの求人は2番目に多い

正社員の全求人数のうち、在宅業務ありの求人割合が最も高いのが調剤併設DSです。社会の高齢化や介護報酬改定などの影響もあり、調剤併設DSからの在宅業務あり求人は今後さらに増えていくと考えられるものの、現状では調剤薬局よりも少ないので求人先探しには多少苦労するかもしれません。

その他の求人先では在宅業務ありは僅少

OTC販売のドラッグストアからの求人もないわけではありませんが、調剤併設型に比べると件数・割合ともに低い状態に留まっています。病院や企業からの求人件数はさらに少なく、今のところ求人先探しはむずかしい状況です。

将来的には病院薬剤師の在宅業務が必要になるといわれていますが、取り組みは行なわれていても実践までにはまだ時間が掛かりそうです。


在宅業務の大変な点は?



薬剤師が在宅業務ありの仕事をする場合、どんなところが大変と感じるのでしょうか?在宅業務の大変な点について考えていきます。

1.服薬指導や薬剤管理がむずかしい

在宅の患者さんのなかには「面倒な説明は聞きたくない」と言って、服薬指導や薬剤管理を嫌がる人もいます。これには在宅の患者さんに高齢者が多いことや、外出できないほど体調が悪い人がいるなどの事情もあるようです。

コミュニケーションが取りにくく、必要な説明も聞いてくれない患者さんに薬の飲み合わせや副作用のリスクの説明をするには根気が必要です。このあたりに大変さを感じる薬剤師も少なくありません。

2.未経験の業務が増えて不安感がある

在宅業務の薬剤師は患者さんのバイタルチェックや容態の確認、医療機器の取り扱いなど、これまで経験したことのない業務をしなければならないこともあります。また、ときには痛み止めの麻薬や注射薬を扱うこともあり、不安感が大きいという薬剤師もいます。

3.プライベートに踏み込む大変さもある

患者さんの自宅を訪れて生活の場に直接入るという意味で、プライベートに踏み込むことの大変さもあります。介護する人の不足や老々介護の現実に触れたり、終末医療に関わって精神的なストレスを感じる薬剤師も少なくないようです。

在宅業務には患者さんと直接触れ合う大変さや責任の重さもあります。しかし、薬局まで行けない患者さんや家族から感謝されたり、医師や看護師、ケアマネジャーたちと連携して患者さんをサポートする在宅医療チームの一員としてやりがいを感じられる仕事であることも事実です。


在宅あり業務への応募、注意すべき点は?



薬剤師の「在宅あり業務」の求人に応募する際には注意したい点があります。求人先は次のような点に気をつけて、事前に内容を確認するようにしましょう。

在宅業務の比率は?

求人募集に「在宅あり」や「在宅業務あり」とあっても、求人先によって仕事の比率はまちまちです。例えば次のような例があります。

●A薬局の場合
在宅業務 90%
調剤や販売業務 10%

●B薬局の場合
在宅業務 50%
調剤や販売業務 50%

●C薬局の場合
在宅業務 10%
調剤や販売業務 90%

この例でいえばA薬局では在宅業務が主であるのに対し、B薬局では調剤や販売業務と半々、C薬局ではごく少ないという結果です。もし在宅業務がやりたくて求人に応募したとしたら、仕事をスタートしてから「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。

勤務先によって仕事に在宅業務が占める割合は異なっているので、求人に応募する前にしっかりと問い合わせておいたほうがいいでしょう。

適性が問われる在宅業務

在宅業務経験のある薬剤師の経験談として、「この仕事には向き不向きがある」「好き嫌いがキレイに分かれる」という話がよく聞かれます。どんな仕事にも適正というのはあるもので、特にそれが顕著なのが在宅業務といえるようです。

薬剤師の在宅業務は患者さんの居宅を訪れ、患者さん本人やご家族と直接触れ合う仕事です。患者さんのほとんどは自ら薬局などに出向くことができず、自宅で療養をしているという状態なので接し方にも気を遣う必要があります。


居宅を訪問して体調不良や病気で苦しむ患者さんや家族と接する仕事をするには、薬剤師としての知識やスキルだけでなく適性が求められます。求人に応募する前には、本当に自分に向いている仕事なのかをもう一度考えてみてください。

給与は地域による違いも

薬剤師の在宅業務ありの給与は400~700万円程度が相場です。最近では都市部より地方のほうが高年収の求人が多いという傾向があります。給与は企業(店舗)規模や薬剤師の年齢・経験によっても違いますが、全国的に見ると地方ほど年収を高く設定しているケースが多いのです。

在宅業務ありの薬剤師求人の一例を見てみましょう。

●東京都内D調剤薬局
正社員 年収400~600万円

●神奈川県E調剤薬局
正社員 年収500~550万円

●大阪府F調剤薬局
正社員 年収400~550万円

●青森県G調剤薬局
正社員 年収550~650万円

●高知県E調剤薬局
正社員 年収580~600万円

●熊本県F調剤薬局
正社員 年収600~750万円

上記はほんの一例で、すべての求人に当てはまるわけではないものの、都市部より地方のほうが年収が高いという傾向が見てとれると思います。こうした傾向から、給与が高い勤務先を探したいなら地方の求人先をチェックしてみるといいとなります。


在宅業務の薬剤師の仕事は大変な部分がある一方、将来性ややりがいがある注目の分野です。まだまだ業務に従事している薬剤師が少ないという点もあり、今後のキャリアアップにつながるというメリットもあります。

薬剤師で在宅業務ありの求人先を探したい場合は、薬剤師専門の転職支援会社を利用してみてはいかがでしょうか。仕事内容や給与、勤務条件などの相談にも乗ってもらえるので求人先探しにとても役立ちますよ。


<薬剤師の在宅業務ありの求人、注意点は?のまとめ>

  • 在宅業務は在宅医療を支える存在として注目される
  • 患者さん宅を訪問して服薬指導などを行なう仕事
  • 薬剤管理や健康相談、副作用リスクの説明などもする
  • 主な求人先は調剤薬局と調剤併設型ドラッグストア
  • 患者さんとのコミュニケーションがむずかしい一面も
  • 在宅業務ありの求人は都市部より地方が高年収



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