薬剤師の国家試験、資格を取る難易度は?

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薬剤師は国家資格です。6年制の薬学部を卒業するなど、薬剤師国家試験の受験要件を満たした上で国家試験に合格しなければ、薬剤師になることはできません。

では、薬剤師国家試験はどのような試験なのでしょうか。


試験の概要や難易度を押さえ、合格するためのポイントを確認していきましょう。


薬剤師国家試験の概要は?

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試験の概要と受験の流れ、試験内容について見ていきましょう。

薬剤師の国家試験ってどんな感じ?

薬剤師国家試験は薬剤師法に基づいて実施される試験であり、受験用件を満たした人しか受験することができません。

2018年8月現在では、6年制の薬学部を卒業、もしくは卒業見込みである人や、2006年度から2017年度までの間に4年制の薬学過程を修めた後、大学院で薬学の修士または博士課程の学位を取得した人などが、薬剤師国家試験を受けることができます。


薬剤師国家試験は、毎年2月下旬の土曜日・日曜日の2日間で実施されます。

また薬剤師国家試験は、北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県など、試験会場が限られています。


自分が住んでいる都道府県で受けられるとは限らないという点に注意しましょう。

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申し込みから受験までの流れは?

薬剤師国家試験を受験するためには、受験に関する書類を作成し、定められた期間中に申し込む必要があります。

受験願書などは、所属している大学や卒業した大学でも手に入れることができますし、薬剤師国家試験の運営本部事務所から郵送で取り寄せることもできます。


また運営臨時事務所の窓口で入手することもできます。

申し込み期間は、例年1月上旬から半ば頃です。受験要綱で正確な日付を確認し、期間内に必要書類を提出しましょう。


すべての受験生が提出する書類は、次の3つです。

・受験願書(受験手数料6,800円分の収入印紙を貼付)

・写真(出願の6か月以内に撮影したもの)を貼付した受験写真用台紙

・返信用封筒(宛先記載・522円切手を貼付・書留の表示を行う)



さらに、6年制の薬学部を卒業した受験生は「卒業証明書」を、卒業見込みの受験生は「卒業見込み証明書」を提出します。

この他にも、条件によっては追加で提出しなければならない書類もあるので、募集要項をきちんと確認しておきましょう。


受験に関する書類が正式に受理されると、2月中旬ごろまでに受験票が郵送されてきます。

なお、卒業見込み証明書を提出した受験生は、所属する大学経由で交付されます。


2月下旬の薬剤師国家試験の合格発表は、3月末に行われます。

合格者の受験地と受験番号が厚生労働省および試験運営臨時事務所に掲示されることで発表されるほか、合格者には合格証書が郵送されます。

薬剤師国家試験の試験内容は?

薬剤師国家試験は、「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」「法規・制度・倫理」「実務」の7つの科目から構成されており、それぞれについて必須問題試験と一般問題試験が設けられています。

また、一般問題試験は薬学理論問題と薬学実践問題の2つに大別することができます。


それぞれの試験における科目別の問題数は、次のようになっています。

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なお、すべての問題が1問2点という配点となっているため、薬剤師国家試験の満点は690点ということになります。

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国家試験の難易度が上がったって本当?

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1949年にスタートした薬剤師国家試験ですが、2008年に薬学部が6年制と4年制の学科に分かれ、2012年からは6年制薬学部卒業者を対象とする新試験が始まりました。

この変化を機に、薬剤師の国家試験の難易度が上がったという声もありますが、実際はどうなのでしょうか。


薬剤師国家試験の難易度や合格率などを確認していきましょう。

国家試験の難易度はどれくらい?

薬剤師の国家試験に合格するには、次の3つの合格基準をすべて満たす必要があります。

1.全配点の65%を正解している(難易度による補正有り)

2.一般問題試験において、各科目の正答率が配点の35%以上である

3.必須問題試験において、各科目の正答率が配点の50%以上かつ全問題の70%以上である



この3つの合格基準のうち、1つでも合格基準に満たないものがあれば、不合格となります。

出題範囲が広く、それぞれの科目をまんべんなく勉強していないと合格が難しいといえるでしょう。

薬剤師国家試験の合格率は?

それぞれの科目をしっかり理解し、幅広い知識を身につけなければ合格が難しい薬剤師国家試験ですが、最近の合格率は次のようになっています。

受験者数 合格率
2009年 15,189 74.4
2010年 6,720 56.4
2011年 3,274 44.4
2012年 9,785 88.3
2013年 11,288 79.1
2014年 12,019 60.8
2015年 14,316 63.1
2016年 14,949 76.8
2017年 13,243 71.5


2012年の新試験開始以降、2014年は60.84%、2015年は63.17%と合格率が低くなっており、受験生にとって難易度の高い試験となったことが窺えます。

しかし、2016年、2017年の合格率は70%台となっており、旧試験での合格率とそれほど変わりません。


旧試験に比べて新試験の難易度が非常に高くなったという訳ではないようです。

薬学制度の変更と国家試験

現在の薬剤師国家試験の難易度は、旧試験と大きく変わらないにも関わらず、「薬剤師国家試験の難易度が上がった」という声が聞かれます。

その理由の1つに、薬学教育の制度が変更されたことが挙げられます。


従来の薬学教育では、4年制の課程で薬剤師および研究者などの人材を養成する薬学教育が行われていました。

しかし、2006年に教育制度が変更され、薬学部は薬剤師の養成を行うための6年制の課程と、薬学の研究者などの養成を行うための4年制の課程に分けられることになったのです。


留年をしなかったとすれば、2006年に4年制の薬学部に入学した人は2010年に卒業、6年制の薬学部に入学した人は2012年に卒業します。

そのため、6年制課程卒業者を主な対象とする新試験への移行期となった2010年と2011年の合格率は、前の年と比べて一気に落ちてしまったのです。


この出来事が、「薬剤師国家試験の難易度が上がった」という噂の元になったのですね。

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薬剤師国家試験に受かる!合格のポイントは?

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合格率が70%程度あるとはいえ、薬剤師国家試験はかなり難しい試験です。

きちんと勉強していなければ、合格することができません。薬剤師国家試験に受かるには、どのように勉強するとよいのでしょうか。

苦手科目を作らない

複数の科目の勉強をしていると、得意科目と不得意科目が出てくることもあります。

しかし、薬剤師国家試験では、すべての科目で厳しい合格基準が定められています。


いくら総合点が高くても、1つでも合格基準を満たさない科目があれば不合格となってしまいます。

不得意な科目がある場合でも、正解率が合格基準を下回らないように勉強することが大切です。


得意な科目よりも勉強時間を多く割き、わかりやすい参考書を選ぶなど、勉強方法も工夫しましょう。

「理解」よりも「訓練」を大事に

勉強中に「なぜこうなるのか?」と難しく考え込んでしまうと、中々勉強が進みません。これでは時間がいくらあっても足りませんね。

内容をしっかり理解するのも良いですが、あまりにも難しいと感じたら、「これはこういうものだ」と割り切ってどんどん前に進むことが肝心です。


また試験中も同様で、理屈を考えながら問題を解いていると、あっという間に試験時間が過ぎてしまいます。

「このキーワードが出てきたら答えはコレ」といったように、瞬発的に答えられるような訓練をしておきましょう。

過去問は何度も繰り返し解くこと

薬剤師国家試験では、過去10年間の試験内容から約20%の類似問題が再出題されると言われています。

そのため過去問を解いているのと解いていないのとでは、正解率も大きく変わってきます。


また過去問を解くことは本番の試験の練習にもなります。

1回目は試験のつもりで、2回目以降は知識の定着を確認するつもりで解き、苦手な部分を克服していきましょう。


なお過去7年間分の薬剤師国家試験の過去問は、厚生労働省「薬剤師国家試験のページ」に解答とともに公開されています。ぜひ活用してください。


薬剤師国家試験では、複数の科目について幅広い知識が求められます。

どの科目も合格基準をクリアできるように学習計画を立て、過去問をはじめとする対策問題をしっかり解いてスピーディーに答えられるようにしたいですね。


<この記事のまとめ>

  • 薬剤師国家試験は年に1回、2月下旬ごろに2日間に渡って実施される
  • 1月上旬から半ば頃までに申し込み、2月中旬に受験票を受け取る
  • 薬剤師国家試験は必須問題試験と一般問題試験があり、それぞれで複数の科目が出題される
  • 薬剤師国家試験には厳しい合格基準があり、1つでもクリアできなければ不合格となる
  • 合格率が低い年もあったが、概ね70%程度の合格率となっている
  • 苦手科目を作らない、瞬発的に解けるような訓練をすることが合格のカギ


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