薬剤師の年収は今後どうなるの?



薬剤師は安定した収入が得られる職業として知られています。厚生労働省の調査データによると薬剤師の平均年収は30代後半の女性で約540万円、40代で約563万円、50代で約574万円と高水準です。

ところが薬科系大学および大学薬学部の6年制移行に伴い、「薬剤師の供給過剰」が懸念されています。薬剤師が過剰になれば現在の供給と需要のバランスが崩れ、年収が右肩下がりに低くなっていく可能性があるのです。


薬剤師の今後の年収について

今後の薬剤師の年収がどうなっていくのか、需要と供給のバランスや将来的な予測を含めて詳しくまとめてみました。

薬剤師の過剰と年収の関係



これまで薬剤師不足は全国的に深刻な問題となっていました。調剤薬局やドラッグストアで薬剤師を雇おうとしても求人に応募する人が少なかったり、地域によっては応募する人自体がいないという事態も起こったほどです。

薬剤師が不足すると経営者側は賃金を高くして従業員を雇おうとします。人手不足になればなるほど薬剤師の年収は上がるという構造です。逆に薬剤師が過剰になると賃金を上げる必要はなく、給料が安くても従業員が雇えるので低年収化が進むわけです。

薬剤師が余る時代が来る理由とは

近い将来、薬剤師が過剰になるといわれるのには3つの理由があります。


(1) 2003年以降に薬科大学の新設が急増して従来の46校から70校超となりました。その結果、薬学生の定員が8000人から1万3000人超となり、新設校から薬学生が卒業した2009年には国家試験合格者は1万人を超えています。

(2) 2009年に施行された登録販売者制度により、薬剤師でなくても一般医薬品の販売が可能になりました。この制度によりドラッグストアや薬局ではOTC販売に薬剤師が不要になるという事態に至っています。

(3) 医療機器の進歩により、調剤が自動的に行なえる機械が開発されています。すでにある調剤薬局チェーンでは、処方箋の70%をロボットを使った機械でまかなっているそうです。このロボットは1日に1万回の調剤が可能ということです。

薬剤師過剰時代は近付いている?



薬剤師が余る時代が来るかどうかは今後の動向次第です。一部には「すでに薬剤師過剰時代は始まっている」とする意見もあります。

2014年に届け出を行なった薬剤師数は約28万8000人ですが、前回届出数を8000人上回っているという調査結果が出ています。増加率は約3%で、人口10万人に対する薬剤師数は前回より7人増加というデータもあるのです。

薬剤師の年収は本当に下がるの?

薬剤師が過剰になる時代が来れば、間違いなく年収は下がっていきます。なぜなら高い給料を支払わなくても求人に応募してくる薬剤師が増え、転職先が少ないので辞めていく薬剤師が減っていくからです。

これを簡単にいうと「多少給料は低くても就職したい」「求人が少ないから転職できない」「就職・転職の競争率が高い」ということになります。経営者側は低い給料でも良い薬剤師を雇えるわけですから、高年収を提示する必要がなくなるわけです。

薬剤師の年収の推移は横ばい状態

2008年以降の薬剤師の平均年収を見てみると、2008年が約505万円、2009~2010年が約518万円、2011年が約500万円と推移しています。その後の2012~2015年までは約530万円前後で横ばい状態です。

これを薬剤師の平均年収は高水準を維持していると見るか、まったく平均年収が上がっていないと見るかは人それぞれでしょう。現状では「薬剤師の年収は下がってはいないが上がってもいない」というのが事実なのです。


年収アップに繋げるためのポイント



薬剤師の平均年収の動向は気になるところですが、別の角度から見ると「同じ薬剤師でも年収が高い人と低い人がいる」という現状もあります。確かに薬剤師の平均年収がいくらアップしても、自分の年収が上がらなければ意味がないわけですから、この問題は避けては通れませんね。

そこで薬剤師として働くうえで年収アップに繋がるポイントについて紹介していきます。ぜひ、みなさんの今後の年収アップのご参考にしてください。

管理薬剤師にステップアップ

薬剤師の年収アップに効果があるのが、管理薬剤師になるという方法です。管理薬剤師とは医薬品管理や従業員の監督を行なう薬剤師を指します。薬事法では各店舗に1人の管理薬剤師を常駐させると定めており、法令遵守や医薬品の適正管理には欠かせない存在です。

管理薬剤師になるには特別な資格は必要ありませんが、3年以上の実務経験が必要になります。年収は500~700万円といわれ、一般の薬剤師よりもプラス100~300万円の手当が期待できます。

製薬会社など企業に転職する

薬剤師の年収で高レベルなのが製薬会社や化粧品メーカーなどの企業勤務です。勤務先にもよりますが、企業薬剤師の年収は500~700万円超と水準が高いのが特徴です。主な職種としてはMR(医薬品情報担当)、CRA(臨床開発モニター)、学術研究職などが挙げられます。

企業勤務の場合は必ずしも薬剤師資格が不可欠ではないものの、薬学の知識や医薬品の知識を活かして働くことができます。これまで調剤薬局やドラッグストア勤務だった人にとっては、新たなジャンルの職場への転職ということになりますが、トライしてみる価値はあるかもしれません。

在宅業務のある調剤薬局で働く



社会の高齢化や核家族化に伴って注目度が上がっているのが薬剤師の在宅業務です。在宅といっても自宅で仕事をするのではなく、調剤薬局などから患者さんの自宅に薬剤師が出向くという新たな業務形態です。

例えば処方箋に従って調剤した薬を薬剤師が患者さんの自宅まで届け、服薬指導や薬剤管理、健康相談などに応じるといった仕事を指します。今後は在宅業務を行なう調剤薬局が増えると予想されており、薬剤師の年収アップに繋がると考えられています。


薬剤師過剰時代を乗り切るには、転職によるステップアップ、薬剤師自身のスキルアップ、新たな働き方へのチャレンジなどの方法があります。ほかにもコミュニケーション能力やパソコンスキル、接客スキルを磨くといった方法も効果的です。

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<薬剤師の年収は今後どうなるの?のまとめ>

  • 薬科大学の新設ラッシュで薬剤師が過剰になると予想
  • 登録販売者制度のスタートでOTC販売に新たな風が
  • ロボットによる自動調剤機の普及で薬剤師需要が低下
  • 2012~2015年の薬剤師の平均年収は横ばい状態
  • 管理薬剤師や製薬会社への転職で年収アップが可能になる
  • 最近注目の在宅業務を行なう調剤薬局への転職もアリ


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