薬剤師の適正人数は?配置基準の計算方法について

薬剤師,配置基準

「配置基準」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

いろいろな職業についてこの基準が定められており、薬剤師にも配置基準があります。


薬剤師はどんなところに、どのくらい配置されるのでしょうか

この記事では、条件ごとの薬剤師の適正人数や、配置基準の計算方法などについて詳しく解説いたします。


「配置基準」ってどんなもの?

配置基準とは

「配置基準」という言葉は、普段生活している分にはあまり馴染みがないかもしれません。

詳しい内容に入る前に、まずは「配置基準」が一体どんなものなのか確認しておきましょう。

配置基準とは

正式には「人員配置基準」といい、施設・事業所等にどんな職種の人を何人配置するかを定めたものです。

薬剤師の場合であれば、施設の種類や患者・処方箋の数などによって、配置するべき人数が決められています。


薬剤師だけではなく、医師や看護師についてもそれぞれ基準があります。

また、医療関係に限らず、消防士や施設管理者、バスの運転士などさまざまな職種で配置基準が定められています。

配置基準に違反するとどうなる?

配置基準は、法律や法令などによって定められています。

病院に勤務する薬剤師については、「医療法」によって配置基準が定められ、それを実際に運用するための詳細が「医療法施行規則」で規定されている、という形です。


こういった配置基準に関する法律・法令等に違反すると、不正をしたとみなされて処分を受けます。

どのような処分を受けるかは、各配置基準を定めて施行している法律・法令によって決められており、それぞれ処分内容も異なってきます。


行政から「なんとか人員を確保してね」と指導を受ける程度で済む場合もありますが、著しく人員が不足している状態が続いて「明らかに業務に支障が出ている」と考えられるような場合には、業務停止命令が出されることもあります。

また、特定機能病院については、特定機能病院を名乗るための承認が取り消される可能性もあります。

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薬剤師の配置基準、計算方法は?

配置基準,計算方法

違反すると厳しい罰則を受ける可能性もある配置基準ですが、この基準は一体どのようにして決められているのでしょうか。

ここでは一般病院・特定機能病院・調剤薬局の3つに分けて、それぞれ解説していきたいと思います。

一般病院における薬剤師の配置基準

一般的に「病院」と呼ばれている施設は、病床数によって「病院」(病床数20床以上)と「診療所」(病床数19以下)と区別されます。

また一般病院というのは、精神科病院(精神病床のみの病院)以外の病院すべてを指します。


一般病院の一般病床(療養・精神・感染症等を除いたもの)については患者70人に対して薬剤師1人、外来は処方箋75枚に対して薬剤師1人と定められています。

特定機能病院における薬剤師の配置基準

特定機能病院というのは、高度な先進医療によって治療を行ったり、研究や医師の研修を行うことができる病院のことです。

病床数や診療科目数などの要件を満たし、厚生労働大臣の承認を受けることによって、特定機能病院と名乗ることができるようになります。


特定機能病院においては、入院患者30人に対して薬剤師1人、外来は調剤数80に対して薬剤師1人と定められています。

(一般病院とは異なり病床の区分による区別はありません)

調剤薬局における薬剤師の配置基準

調剤薬局においては、前年の処方箋枚数の平均値を基準に、1日の処方箋枚数40枚に対して薬剤師1人と定められています。

ただし、耳鼻科・眼科・歯科の処方箋は1枚を3分の2枚としてカウントします。


実際に配置基準を計算してみましょう。

たとえば、前年に耳鼻科・眼科・歯科の処方箋しかなかった薬局の場合、3分の2枚として数えるので処方箋60枚(×3分の2=40枚)に対して薬剤師1人が必要ということになります。


ではもう一つ。耳鼻科・眼科・歯科の処方箋が30枚、それ以外の処方箋も30枚だった場合は何人配置する必要があるでしょうか。

耳鼻科・眼科・歯科は30枚×3分の2=20枚となるので、それ以外と合わせて計50枚です。ここまでは問題ないでしょう。


ここで疑問が出てくるのが、41枚から79枚のときは何人配置するのか、という話です。

1人か2人か悩むところかもしれませんが、この場合の答えは1人です。


同様に、80~119枚の時は2人、120~159枚の時は3人…となります。

この配置基準の決め方が薬剤師不足の話にも関わってきますので、それを踏まえた上で続きを読んでください。

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配置基準は本当に適正?薬剤師不足の実態とは

薬剤師不足

配置基準の計算方法や違反した場合の処分などについて見てきましたが、「この配置基準が本当に適正か?」については、疑問の声が上がっています。

それは一体何故なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

配置基準に達しているのに忙しいのはなぜ?

配置基準を満たしていても、仕事量に対して薬剤師の数が不足しているというのが現状です。

その大きな原因は2つあります。


1つめは配置基準の決め方についてです。先ほどの計算方法を思い出してください。

調剤薬局では1日の処方箋が80枚であれば薬剤師2人、79枚であれば薬剤師1人になります。


ですが、1人40枚ずつ担当するのと1人で79枚を担当するのでは明らかに仕事量が違いますよね。

配置基準は最低限必要な人数を決めているだけなので、人材が確保できるのであれば基準より多い人数を雇っていても、もちろん問題ありません。


1人で79枚は大変そうだからもう1人薬剤師を雇おう、となっても良いわけですが、実際にはなかなかそうはなりません。

2つめは薬剤師の仕事が多様化していることです。医療法が作られた頃、薬剤師の仕事は調剤と用法の指示くらいでした。


ところが今では、その他にも服薬指導や薬歴管理をしたり、患者の相談に乗ったりと様々な業務を行っています。

その結果、配置基準を満たしていても人手が足りない、忙しいという状況に陥ってしまうのです。

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忙しい職場とそうでない職場の違いは?

職場によっては、調剤の機械化や薬歴管理の電子化がされています。

このように業務の効率化を図っているところは、比較的忙しさも緩和されているでしょう。


ただ、薬剤師不足はこれから先もしばらく続くだろうと言われています。

人手不足の中いろいろな業務を任され無理な働き方を続けた結果、体を壊してしまい、薬剤師の資格を持っているにもかかわらず別の職種に移ってしまう人もいます。


就職先を決める際には、その職場で無理なく働いていけるか慎重に検討することをおすすめします。


<薬剤師の適正人数は?配置基準の計算方法について まとめ>

  • どんな職種の人を何人配置すれば良いかを決めたものが配置基準
  • 違反すると業務停止命令などを受けることもある
  • 調剤薬局では、耳鼻科・眼科・歯科の処方箋は3分の2枚として計算する
  • 処方箋40枚に対して薬剤師1人の場合、79枚以下は1人の配置になる
  • 薬剤師の業務が多様化しており、人材不足が問題となっている

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