グローバル化の中で薬剤師のあるべき姿



グローバル化とは国や地域を超え、世界単位で物事を考えたり行動することを意味します。昨今では交通網の発達やインターネットによる情報通信の変化により、さまざまな分野でグローバル化が進展しています。

こうしたグローバル化の動きを受けて薬剤師の果たす役割も変わりつつあります。今後は日本国内だけに留まるのではなく、グローバル化を見据えた薬剤師のあるべき姿について考えていく必要があるでしょう。


グローバル化しつつある薬剤師



「薬剤師のグローバル化と言われてもピンと来ない」という人は少なくないかもしれません。これまで薬剤師のグローバル化というと、海外留学や諸外国の同業者などとの交流を指していました。

しかし、現在、急激に進展している薬剤師のグローバル化は、そうした狭い世界の交流からは大きく掛け離れたものとなっています。キーワードは「人材・医薬品・お金」です。

人材のグローバル化

薬剤師のグローバル化が進むと、国と国のあいだでの人材の交流が盛んになります。日本の薬剤師がアメリカのドラッグストアで調剤の仕事をしたり、インドネシアの薬剤師が日本の調剤薬局で服薬指導を担当するといった事態が起こり得るということです。

現実には薬剤師資格(免許)の問題があり、今の時点では上記のような自由な行き来は実現していません。しかし、すでにヨーロッパではEU圏内の人材の行き来を自由化しようという計画が持ち上がっています。遠からぬ将来、アジアでも同様の動きが進められる可能性は低くないでしょう。

医薬品のグローバル化



医薬品のグローバル化は、人材のグローバル化よりも急速に進んでいます。その理由は日本の製薬企業の海外進出です。多大な時間と経費を掛けて開発した新薬を国内だけで販売するだけでなく、海外市場で販売することで利益を得るという考え方はすでに一般的になっています。

そのためには欧米を中心とした諸外国との共同開発や、海外拠点の製造工場を多数所有するという形でグローバル化が進んでいます。この動きに伴い、製薬企業に勤務する薬剤師や治験に関わる薬剤師のグローバル化も進んでいくというわけです。

お金のグローバル化

人やモノがグローバル化すると、当然のことながらお金のグローバル化も進んでいきます。海外の製薬会社と日本の製薬会社が手を結ぶと、共同開発によって人材と共に資金も動いていくことになります。

海外拠点の工場を作れば現地で従業員を雇用し、諸外国から原料を輸入するという流れになりお金もグローバル化していくわけです。もちろん日本の薬剤師が海外の製薬会社で働いたり、治験会社で働くということになればお金が動きますし、その逆もまた同様です。

薬剤師とグローバル化の関係

すでに着々と進展しているグローバル化は、薬剤師にとって無縁なものではありません。「私は製薬会社に勤めているわけではないから」「外国にはまったく興味がないから」という人にも、グローバル化の波は静かに押し寄せて来るからです。

グローバル化は医療業界全体の流れであり、医師不足や看護師不足をグローバル化によって解消しようという動きがあることでも分かるとおりです。


今、日本国内では薬剤師不足が懸念されていますが、将来的には看護師と同じようにグローバル化での解決が計画されるかもしれません。

実際問題として薬剤師免許の世界共通化や、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国による資格の共通化はすでに取り組みが始まっています。医薬業界や医薬品業界と同様、薬剤師もグローバル化と無関係でいることは難しいでしょう。


グローバル化が進む中で、今後薬剤師に求められるもの



グローバル(global)という言葉には「全世界規模の」「地球規模の」という意味があります。例えば「グローバルな視点」といった場合、「世界全体を視野に入れたモノの見方」といった意味合いになるように、日本国内や自分の職場などの小さな単位ではなく幅広い物の捉え方や見方が必要になるというわけです。

ではグローバル化の進展の中で、薬剤師に求められてくるものとは何なのでしょうか。

語学力(米語)

グローバル化で最初に必要になるのが、世界の人々と交流できる語学力です。一般的には「語学力=英語力」といわれますが、実際には世界の共通語である米語(アメリカ英語)が必要になります。

その語学力のレベルはTOEICで表されることもありますが、スコアにこだわることなく現場で使える能力が求められてきます。薬学用語や薬剤名が米語で分かる、職場の同僚やお客さんとビジネストークができる、医師や看護師とも話せる、薬歴や報告書が作成できる等の能力です。

国際的な知識力

国際的な知識はグローバル化に対応するうえで欠かせないものです。世界情勢の変化やインターナショナルな常識を知らないままで行動すると、薬剤師として以前にビジネスパーソンとして通用しません。

新聞雑誌、インターネットなどを通して世界情勢の知識を蓄えたり、世界で通用する常識を身に付ける必要があるでしょう。そのうえで業務上関係のある国についても学んでおけばグローバル化への対応がしやすくなります。

異文化への理解力



グローバル化とは世界基準を知ることだけを指すわけではありません。世界全体を見渡せる目を持つと同時に、諸外国の異文化への理解を深めることも重要になります。

世界の各国にはその国にしかない特有の文化があります。また地域によっても文化は異なるわけで、それらへの理解がなければグローバル化の中で活躍することはできないでしょう。日本国内だけで生活していると異文化への理解は難しいものですが、グローバル化への適応力のひとつとして身に付けておきたい能力のひとつです。

コミュニケーション力

語学・知識・理解力に劣らず必要となるのが、海外諸国の人々とのコミュニケーション力です。日本人同士であれば「多くを語らなくても何となく理解し合える」ということもあります。また「口に出さなくても察してもらえる」というケースも少なくありません。

ところが歴史や文化が異なる諸外国の人々と対する場合は、明確な意志表示がなければコミュニケーションは成り立たないのです。グローバル化で自分の意志を伝える能力、相手の意志を理解する能力を合わせたコミュニケーション力が求められてくるでしょう。


薬剤師もこれからは世界に進出していく時代が到来するといわれています。日本国内だけでなくグローバルに活躍できる転職先を見つけたいなら、薬剤師専門の転職支援サイトへのご相談をおすすめします。

<グローバル化の中で薬剤師のあるべき姿のまとめ>

  • 薬剤師の世界でも人材のグローバル化が進んでいる
  • 製薬会社では新薬開発を世界規模で行なう例が増加中
  • 医薬品の生産拠点(工場)を海外に置く企業も増えている
  • 薬剤師免許の世界共通化、アジア共通化の計画も進行中
  • グローバル化に対応できる薬剤師の育成が求められる
  • 必要なのは語学力、国際知識、異文化への理解力など


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