健康日本21とは?分かりやすく解説

健康日本21とは

国民の健康づくりを目的に、厚生労働省が実施している運動が『健康日本21』です。

厚労省は栄養や食生活、運動、休養、こころの健康など9つの分野で基本方針や対策などを提示しました。


また2012年には、時代の変化に沿ってこの目標も新しく更新されています。

『健康日本21』とは具体的に何なのか、どのような取り組みが行われているのかを詳しくまとめてみました。


薬剤師にとっても無関係ではない、厚労省による国民の健康づくりについて勉強しましょう。


健康日本21ってどんなもの?

健康日本21,概要

『健康日本21』は正式名称を「21世紀における国民健康づくり運動」といい、2000年(平成12)に厚労省によって策定されました。

2003年には「健康増進法」が施行され、この法律に基づく国民の健康増進運動が『健康日本21』です。

健康日本21とは?

国民の健康づくりを促進する運動は、1980年代から始まっていました。

「国民健康づくり運動」と呼ばれていたもので、1980~1989年までが第1次、1990~1999年までは第2次の運動となります。


健康日本21はこれの第3次(2000年~2012年)以降にあたるもので、2013年から現在は第4次、健康日本21の第2次です。

健康日本21では、国民の健康づくりのため、「生活習慣病の予防」および「その大きな原因となる生活習慣の改善」を目的としています。


我が国の少子高齢化の進展に伴い、壮年期死亡の減少や健康寿命の延伸などを目標に掲げた運動です。

この目標を達成するためには、国民一人ひとりが正しい知識を持つ必要があります。


そのうえで自ら意思による生活習慣の改善が求められるわけですが、『健康日本21』に賛同する関係団体も国民の健康づくりを支援するとしています。

<参考サイト>:健康日本21|健康日本21推進全国連絡協議会

「健康増進法」ってどんなもの?

健康増進法は、『健康日本21』を具体化する目的で、厚生省(現・厚労省)が2000年に制定した法律です。

自民党の政権公約(マニフェスト)の「医療制度改革」の一環で、国民の健康増進策の基本を定めています。


この法律の対象となるのは国民、健康増進事業実施者、地方自治体、健康保険組合、健康診断を行なう業者などが含まれます。

主な内容は以下のとおりです。

・国や都道府県は健康増進につながる方策を企画実施する
・市町村などは健康相談の実施や健康診断の結果を管理しやすくする
・国は国民栄養調査の調査範囲を拡張、栄養表示を詳しく正確にする
・特定休職施設に管理栄養士を置く、特別用途食品販売の規制を強化する

以上のように、国や地方自治体、関連事業者を挙げて国民の健康づくりをサポートしようというのが「健康増進法」の主旨です。

「健康日本21」取り組みはどう変わった?

健康日本21,取り組み

2000年からスタートした「健康日本21」の取り決めは、2013年にその内容が改定されています。

「国民の健康を促進する」という大元の目的は変わっていませんが、その内容には時代に合わせた変化が見られます。

改善目標の変化

2000年の『健康日本21』では9分野における改善目標を掲げています。


(1) 栄養…適正体重、脂肪エネルギー比率の基準値など
(2) 運動…身体活動や運動に関する6項目の数値目標など
(3) 休養・こころ…ストレス、睡眠、休養、自殺者の減少など
(4) たばこ…喫煙の健康影響、未成年の喫煙、分煙の知識など
(5) アルコール…多量の飲酒、未成年の飲酒、節度ある飲酒など
(6) 歯…虫歯予防、歯の喪失防止、喫煙習慣と歯周病など
(7) 糖尿病…糖尿病の予防、患者の治療継続、合併症の減少など
(8) 循環器病…高血圧、喫煙、多量飲酒、高脂血症の対策など
(9) がん…死亡者と罹患者の減少、喫煙対策、食生活改善など

一方で2013年では、以下のような内容に変更されました。


(1) 主要な生活習慣病…がん・循環器病・糖尿病など
(2) 社会生活を営むために必要な機能の維持・向上…こころの健康など
(3) 健康を支え、守るための社会環境の整備…地域のつながりなど
(4) 栄養・食生活…食事内容・適正体重の維持など
(5) 身体活動・運動…運動習慣・環境整備など
(6) 休養…睡眠不足・過重労働者の減少など
(7) 飲酒…多量飲酒・未成年や妊婦の飲酒減少など
(8) 喫煙…喫煙率の改善など
(9) 歯・口腔の健康…歯周病の予防など

糖尿病やがん、循環器病は「生活習慣病」としてまとめられ、そこに新たな項目が加わっていることが分かります。

大きな変更はないものの、心の健康(メンタルヘルス)に関する内容が多く盛り込まれるなど、時代に合わせた変化も見られます。

健康日本21の、具体的な取り組みは?

国民の健康づくりを支援する『健康日本21』ですが、具体的にはどんな取り組みが行われているのでしょうか。

●健康づくりの情報提供
厚労省ではさまざまな手段を用いて、『健康日本21』の健康づくりに関する情報を発信しています。

国や自治体はもとより、企業、学校、病院、保健所などを通じて健康づくりに必要な知識の普及に進めています。


●食生活改善の環境整備
食事量や内容に関する知識の普及のほか、ヘルシーな食事が摂りやすい環境の整備を行っています。

給食施設やレストランのヘルシーメニュー提供率のアップ、食品売場のヘルシー食材提供率のアップなどを推進しています。


●こころの病気への対応
経済環境や職場環境、都市環境、住環境がよりストレスの少ないものにするための取り組みを行なっています。

自殺者の増加を精神保健の最重要課題のひとつと位置づけ、うつ病の早期発見や適切な治療への取り組みにも力を入れています。


●たばこ・アルコール
たばこに関しては喫煙率半減、未成年者の喫煙防止、非喫煙者の保護、禁煙支援を行なっています。

アルコールも同様で多量飲酒の減少、未成年の飲酒防止、節度ある適度な飲酒に取り組んでいます。


●その他の取り組み
糖尿病や循環器疾患の予防のため、適切な身体活動や運動を推奨しています。

併せて検診受診率の向上、医療機関へのスムーズな引継ぎ、ハイリスク患者へのアプローチなどの取り組みも行なっています。

<関連記事>:薬剤師が地域医療で果たすべき役割


薬剤師と『健康日本21』

健康日本21,薬剤師

医療従事者である以上、この運動は薬剤師にとっても他人事ではありません。

薬剤師はこの運動に対し、どのように関わっていくべきなのでしょうか?

薬剤師会が掲げる目標は?

日本薬剤師会は『健康日本21』に積極的に取り組み、薬局を「地域における健康支援拠点」にするという目標を掲げています。

その活動の一環として、薬局を訪れるお客様に対する情報発信と支援、研修による薬剤師の知識の充実を行なうとしており、厚労省からの期待も大きいようです。

<参考サイト>:日本薬剤師会の取り組みについて|月刊誌「健康づくり」2002年4月号

薬剤師に求められる役割

先ほど挙げた、健康日本21の具体的な取り組みにおいて、薬剤師の活躍が期待される場面は多くあります。

まず重要になってくるのが、消費者に対する有用な情報提供です。


薬剤師は健康関連商品を販売する際、単に商品を売るだけでなく「物プラス情報の販売」として、商品についてきちんと説明しなければなりません。

またこういった薬剤に関する情報だけでなく、健康に関する全体的な情報提供ができるのが理想的です。


患者さんの健康状態に合わせて、どんな食事や運動、健康管理が望ましいのか、適切なアドバイスができることが望まれます。

また、気軽に相談できるかかりつけ薬局を増やしていくことも重要な課題となっています。


かかりつけ薬局では、患者さんの受診歴や服薬情報を一元管理することで、よりその人に合った健康サポートを行うことができます。

「処方箋通りに薬を出す」という従来の概念を捨てて、より地域住民に寄り添った薬局・薬剤師が求められています。


『健康日本21』に薬剤師として積極的に取り組みたいという人が増えています。

もし薬剤師の方で、この運動に協力的な転職先探しをしたいなら、薬剤師専門の転職支援サイトに相談するといいでしょう。


薬剤師専門の転職支援サイトに登録すると、希望条件にマッチした転職先が探しやすくなります。

薬剤師の転職に詳しい専任アドバイザーが親身に相談に応じてくれますので、積極的に活用しましょう。


<健康日本21とは?のまとめ>

  • 国民の健康づくりを目的に厚労省が実施中の運動
  • 食生活や運動、休養、こころの健康など9分野がある
  • 特に生活習慣病の予防と改善に力を入れている
  • 企業や学校、自治体、病院、保健所等を通じた取り組み
  • 薬剤師会でも「健康21」に積極的に取り組んでいる
  • 薬剤師はゲートキーパーとしての役割も担う

薬剤師の転職サイト、おすすめは?



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