調剤薬局と病院を比較した!薬剤師が就職・転職するならどっち?



よく「病院と調剤薬局、転職するならどっちがいい?」という薬剤師の質問を受けます。

もちろん、その人のキャリアプランや状況に応じて回答は違ってくるのですが、ここでは一般論として病院・調剤へ就職・転職した場合のメリット・デメリットを比較したいと思います。

まずは、それぞれの仕事内容から見ていきましょう。


調剤薬局薬剤師の仕事について

調剤薬局での薬剤師の仕事は、大きく言って以下の3つです。

・調剤業務
医者の処方箋に従って調剤を行う業務です。一口に調剤といっても、応需する科目によって扱う薬剤も違うため、薬局の規模によって仕事内容が相当異なる場合が少なくありません。

また、処方箋に疑問がある場合は医者への疑義照会をする必要があります。


・服薬指導
薬を処方する患者への服薬指導です。単に処方する薬の効果や副作用を説明するだけでなく、薬の飲み方指導や、他に常用している薬はないか等のヒアリングも欠かせません。


・薬歴管理
薬を処方した患者の服薬歴や副作用情報を管理する仕事です。


この3つに加えて、在宅医療を行っている調剤薬局もあります。在宅医療も含めると仕事内容は4つになりますが、在宅医療を行っている調剤薬局はまだ少ないのが現状です。調剤薬局の仕事のメインは、上の3つと言ってよいでしょう。

大きな比重を占める調剤業務



上の3つの中でも、仕事で大きな比重を占めるのが調剤業務です。基本的に1日に平均どれだけの処方箋を処理するかで、仕事の忙しさが変わってきます。

平均は40~60枚/日ですが、忙しい薬局だと一人で1日で100枚もの処方箋を処理するような職場もあります。とはいえ、処方箋数が少なくても「やっかいな調剤」が多い薬局ですと、それなりの忙しさになります

処方箋数は、あくまで目安とお考えください。


一般に仕事の負担が(薬剤師の他の勤務先と較べて)重くないと言われる調剤薬局ですが、調剤薬局の規模や門前病院の規模によって違ってきます。

クリニックの門前薬局であれば、応需する科目も少なく、1日の処方箋数もそれほどでもありません。こうした小規模の調剤薬局は、個人経営であることが少なくありません。


一方、総合病院の門前薬局は応需する科目が多く、処理すべき処方箋数も多いので薬剤師の仕事もその分大変です。また、こうした薬局ほど扱う調剤の数も多いため、日ごろの勉強も欠かすことができず、研修会や勉強会も充実しています。

その分、自身の成長にはつながりますが、仕事についていけない方もいます。こうした薬局は、大手の調剤薬局チェーンであることが多いです。

<関連記事>薬剤師が調剤薬局へ転職する時の注意点は?


病院薬剤師の仕事について



病院薬剤師は、病院内の調剤室での調剤がメインの業務となります。それ以外には、服薬支援や薬歴管理、DI業務や各種委員会への参加もあり、かなり多岐にわたっています。


病院の規模や方針によって異なるので一概には言えませんが、大きな病院になると薬剤師も調剤する医薬品が診療科などで分けられ、もっぱら調剤に追われるということも少なくありません。ですので、上で書いた業務をすべてこなすかは、転職先の病院によって変わってきます。


つまり、ある特定の分野の医薬品にしか接触できないケースもありえます。患者さんへの服薬指導もありますが、薬局薬剤師に比べると少ないでしょう。患者さんとより多く交流したいと考えている方は、病院での仕事は物足りなく感じるかもしれません。


ただ、病院薬剤師の場合は、調剤薬局薬剤師には扱うことのない注射製剤を扱えます。加えて、ドクターのカルテを直接閲覧する機会もあります。

これはつまり、患者の疾患名や過去の投薬の経緯を学ぶことができ、どういった薬剤をどういった場面で使ったのか、実務として勉強することができます。

<関連記事>:調剤薬剤師から病院薬剤師への転職は大変?


調剤薬局と病院、仕事のやりがいや忙しさを比較

仕事のやりがいは病院が上



カルテや投薬履歴は、調剤薬局の薬剤師でも座学として(つまり独学で)勉強することは可能です。ですが、本で読む知識と実務で吸収できる知識には大きな違いがあります。

さらに病院薬剤師の場合、治療の「上流工程」から見られるという利点もあります


調剤薬局にいると、病院から調剤の指示を受けるだけで、過去の投薬や治療がどういったものか分からないケースが少なくありません(病院の医師に確認することは可能ですが、よほど重大な場合を除いて実際に照会することは稀です)。

つまり、調剤薬局にいると、治療過程の「下流」しか見ることができません。


これが病院薬剤師の場合は、より大きな工程から自分の調剤の役割を確認することも可能です。

よく「病院薬剤師の方が仕事のやりがいがある」という言葉を聞きますが、単に勉強になるという意味だけでなく、自分の仕事の立ち位置を確認しやすいという意味合いもあります。


また研修体制は病院の方がしっかりしてますし、最新の研究資料に触れたりと、より専門性の高い知識が得られるというメリットはあります。一言で言えば、病院薬剤師の方が薬剤師としての基礎力が身に着くと言えます。

仕事の忙しさ、休みにくさも病院が上

では、仕事の忙しさという点ではどうでしょうか?先ほども書いた通り、調剤薬局は職場によって忙しさがかなり違います。ですが一般論として、調剤薬局に較べて病院の方が忙しい職場であることは間違いないです。

これは病院自体がハードな勤務先であることもありますが、病院はより少ない人数で仕事を回しているので、どうしても一人あたりの薬剤師の負担が重くなります。


また、夜勤勤務のある調剤薬局はめったにありませんが、薬剤師の夜勤勤務のある病院は珍しくありません(回数は看護師ほど多くはありませんが)。


では、休みやすさという点ではどうでしょうか?以下の表は、大手薬剤師求人サイトで実際に掲載されている正社員求人数のうち、「年間120日以上の休み」がある求人数、「土日休み」がある求人数とその割合です。

正社員求人 年間120日以上の
休みがある
土日が休み
調剤薬局 25,614 9,721
38%
3,166
12%
病院 3,688 738
20%
558
15%

上の表で分かる通り、年間120日以上の休みがある求人割合おいて、調剤薬局と病院で大きな開きがあることが分かります。つまり、病院は調剤薬局に較べて休みづらい職場が多いということです。

その一方、土日休みの求人は病院も調剤薬局も大差ありません。これは、どちらの職場も土日休みが取りづらい職場であることを示しています。


病院と薬局、転職の難しさや給料・福利厚生を比較した

転職が難しいのは病院

次に、病院と薬局のどちらが転職が難しいか解説します。結論から言うと、転職が難しいのは病院です。

先ほどの正社員の求人数で見比べてほしいのですが、病院の正社員がずっと少ないことが見て取れます。病院の求人数は調剤薬局の1/7ほどです。


これは単に求人数だけの話でなく、転職の条件面でも言えます。調剤薬局の場合、50代でも60代でも未経験での転職は可能です(転職先でうまく溶け込めるかという問題はありますが、その点はとりあえず置いておきます)。

一方で病院の場合、未経験での転職が可能なのはせいぜい30代前半までで、30代後半以降は難しくなります。


以前は、「病院から調剤薬局への転職はできるが、調剤薬局から病院への転職は難しい」と言われていました。昔に較べれば、病院も薬剤師の中途採用を増やすようになりましたが、まだハードルが高いのが現状です。

給料は調剤薬局、託児所の充実度は病院が上

次に、給料や福利厚生について比較しましょう。下の表をご覧ください。

正社員求人 高年収600万以上 託児所あり 産休・育休あり
調剤薬局 25,925 11,858
46%
127
0.5%
9,967
38%
病院 3,941 851
22%
830
21%
1,581
40%

上記の表にもある通り、年収600万以上の求人割合は調剤薬局が病院の2倍以上あります。病院での薬剤師の平均年収は300万代後半から400万代であることが多く、500万円代の求人はそれほど多くありません。

一方で、調剤薬局での平均年収は400万円代の後半から600万円ほどです。調剤薬局で管理薬剤師になれば、650万円の年収も珍しくありません。

つまり、給与だけで見れば、調剤薬局の方が断然有利です。


次に福利厚生、特に託児所や育休制度について見ていきます。育休制度の充実度合は薬局・病院ともに同じ程度です。ですが、託児所の充実度合は違います。率にして21%程度ですが、それでも調剤薬局よりずっと充実していることが分かります。

ですので、育児中のママさん薬剤師は、託児所が併設された病院を転職先として検討するというのも、一つの選択肢として検討してもよいでしょう。


転職先として調剤薬局・病院のメリットを表にまとめると・・


以上、薬剤師の転職先としての調剤薬局・病院を比較してきました。今までの内容を表にまとめると、以下のようになります。

調剤薬局 病院
年収 400~650 300~500
休み それなりに多い 少ない
仕事の忙しさ 薬局による 忙しい
仕事のやりがい それなり 大いにあり
学習機会 それなり 大いにあり
託児所 なし 少しあり
転職のしやすさ しやすい 難しい

以上の表について、2点補足させてください。一つはそれぞれの年収についてです。上で挙げた年収は、あくまで平均値です。調剤薬局で650万以上の年収の求人もありますし、病院でも500万以上の年収の求人もあります。

ですが、平均値を超える年収の求人にはそれなりの理由があることが多いです。たとえば病院で年収550万超の求人だと、駅から離れた場所にあって通勤が不便とか、5年以上の経験者限定とか、管理者(調剤部長など)限定などです。


補足の2点目は、上の表は「転職するなら、調剤薬局がよい」とか「転職は病院がオススメ」とかを表している訳ではない点です。調剤薬局と病院のどちらに転職すべきかは、その人の置かれた状況や転職先に求める条件によって違ってくるはずです。上の表を参考にしつつも、自分の希望条件も勘案して転職先を検討してください


とはいえ、自分一人で転職活動をしていると、どうしても独りよがりになってしまいます。やはり可能な範囲で、転職支援会社を活用した方がよいでしょう。下記でオススメの2社を紹介しますので、よければ参考にしてください。


病院・薬局への転職を検討中の方



病院や薬局への転職を検討中の薬剤師の方は、転職支援サイトを積極的に活用するとよいでしょう。ここでは、2サイト紹介します。一つは薬キャリです。業界no.1の会社で幅広い求人を抱えていますが、何より担当エージェントが熱心にアドバイスしてくれることでも定評があります。
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