転職体験談(30):医薬品卸会社から新薬を持つ小さな製薬会社へ転職

薬剤師,転職体験談



転職前はどんな仕事をしていたか

北日本の地域医薬品卸会社に4年弱勤務していました(東京都、41歳、女性)。

正社員で勤務時間は8:00-17:30の8時間労働、基本、多忙時期以外は残業はなく、年収は400万程度でした。

DIセンターや医薬品情報室と呼ばれる、くすり相談窓口の卸版のような部門に在籍していました。


電話で、医療関係者からの質問に答えることが主な業務でした。

その他、メーカーからの業務連絡の内容を毎週まとめ、見出しを作って支店や物流センターに連絡したり、新薬や相談品目、薬効別の一覧や比較表を作成したり、薬局向けの資料を作成したりしていました。

問合せ内容は、副作用から入手方法、薬剤の識別、資料請求、医薬品から動物薬、試薬まで、多岐にわたっていました。


なぜ転職しようと思ったか

1つ目の理由は、家族の都合で首都圏に引っ越ししようと思ったことがきっかけです。

転勤を希望することも難しく、転職を考えました。

2つ目の理由は、会社の合併に伴う不透明感です。

会社が合併し、希望退職を募ったり割増退職金があるわけでもない中で人がどんどんやめ、会社の雰囲気が変わっていくことに不安を感じました。

また、医薬品卸会社の合併が進んでいた時期であり、会社が今後どうなっていくのかも不透明で、昇給や昇進面でも不安が大きくなったということもあります。


3つ目の理由は、製薬メーカーで働きたい、という想いが強くなったことです。

卸のDIセンターでは、とても広範囲の情報を扱う分、専門性はありません。

製薬会社であれば、自社の薬に対して自社でデータを持っていますし、自社の薬に関わる疾患も含め、専門情報を扱います。

自社データを扱い、専門性を深めたくなったので、卸ではなく、製薬会社の学術への転職を希望しました。

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どんな転職活動をしたか

転職紹介会社について

まず、3社の転職紹介会社に登録しました。

薬剤師の転職を専門に扱っているA社と、全国規模で薬剤師や製薬に限らず転職紹介をしているB、C社です。

この3社は、いずれも「日刊薬業」のような業界紙の広告スペースに掲載されていました。

薬の業界紙に広告を出すということは、この業界の転職に強いかもしれないと判断し、業界紙に広告を出していて、全国の転職に対応しているこの3社に登録しました。


最初にインターネットで登録した後、3社それぞれから「一度事務所にお越しください」「書類等についても直接アドバイスできますので」等々メールをもらいました。

それぞれの事務所にお伺いし、転職会社のコーディネーターさんと直接お会いしました。


A社は「学術希望」と言っても、「あなた、MRやらない?」「コントラクトMRはどう?」と、こちらの話はあまり聞いてくれませんでした。

後から考えるとコントラクトMRが話題になり始めた時期だったので、そちらに登録してほしかったのかもしれません。

求人票も紙のファイルで検索できず、コーディネーターさんが求人案内のファイルをめくりながら話していて、どんな求人があるのかを教えるのもコーディネーターさん次第でした。

結局、A社がというよりは、そのコーディネーターさんがそういう人だっただけかもしれません。

終始「卸から学術への転職は難しいわよ」「薬局は?」「病院は?」と言う感じで、話がかみ合わず、最初の面談以後、お付き合いはありませんでした。


B社は非常にきれいなオフィスで、応募書類などもアドバイスいただきましたが、MR以外の求人はあまりないと言われました。

B社の広告には「研究・開発・MR・学術・PMS・・・」と書いてありましたが、時期やタイミング、私のスキルや条件とのマッチングなどの問題かもしれません。

希望する求人は見つかりませんでした。

C社は転職紹介大手の会社で、メディカルの担当者とお会いしました。

求人も多く、担当者もまめに連絡いただける会社でした。結果として、C社で転職活動をし、転職しました。

転職先の選定について

C社にて学術の募集案件をいくつか紹介していただきました。

転職の条件は、「学術部門」「今よりも年収があがること」でした。

この時にアドバイスされたのが「社宅がある、住宅補助が大きい、昼食補助があるなど、福利厚生が手厚い方が、可処分所得が増える」ということです。


ただし、年収については、卸時代の年収(収入金額で300-420万)よりも、大概の製薬メーカーの年収は高く、あまり問題になりませんでした。

転職先候補の比較については、先発品を出しているか否かで最初に振り分けました。


先発専門メーカーの学術部門は、募集自体が少ないことに加え、前職がメーカー学術でないと転職は難しいと言われました。

しかし私には、自社データを扱いたい、という願いがあったため、少なくとも後発品専門メーカーではなく、新薬を持っている会社、それもできるだけいくつかの新薬を持っている会社を希望しました。


その後は、製品の領域に興味があるか、会社の規模や創業年、売上高等から今後も安定した業績がありそうかなどを考え、第一希望は、小さめながら新薬を持つ製薬会社のX社としました。

転職先との面接について

X社との面接では、クレペリン検査のほかは人事担当者との面接があり、その面接が通れば役員面接があると聞いていました。

しかし、最初の面接では、人事担当者のほか、学術部長が同席していらっしゃり、人事担当者と学術部長が半々に質問をする、という面談でした。


また、筆記試験はないとC社より伺っていましたが、学術部長が「疑っているわけではないけれど、本当に英語論文が読めるのかを見たい。今から30分で最後まで出来なくて良いし、辞書も貸すのでこの論文を和訳してください」と、X社の主力品に関係する論文を渡され、会議室で30分ほど和訳に取り組むことになりました。

転職先の決定について

X社の学術部長の人柄や雰囲気、発言を聞いていて、「この人の部下として何年か仕事がしたい」と思ったことが、X社に決めた1つ目の理由です。

2つ目の理由は、X社の親会社の規模が大きく、社宅や休暇などお福利厚生がしっかりしており、生活の安定を得られそうだったことです。


3つ目の理由は、引っ越し代はもちろん、面接時の交通費を支給して下さり、宿泊や都内の電車移動に慣れていないことを心配して下さるなど、社員の細かなところまで考えてくれる社風を感じたからです。

X社の感触によって、次の会社の面談申込をするつもりだったため、結局、他社は受けずに終わりました。

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転職後の職場の様子、感想

X社は従業員300名規模であり、正社員で勤務時間は9:00-17:30の7.75時間労働、残業を含む時間外労働は年間300時間以上でしたが、サービス残業はなく、有給も比較的とりやすい職場でした。

年収は時間外労働時間にもよりますが、450万から600万とアップし、しかも借り上げ社宅に住めたため、家賃負担も2-3万と減少しました。

業務内容は、学術の仕事として、資材作成、MR教育、問合せ対応、研究会やセミナー企画など少人数で多岐にわたっていました。

忙しく、残業もありましたが、他部門との関係も近く、製薬の仕事の流れやいろいろな面を見たり聞いたりできたりしたことはメリットです。


これから転職する人へのアドバイス

切羽詰って転職活動したのではなく、前職に勤め続けつつ、転居終了していなければいけない時期までに、余裕をもって転職活動を行ったため、足元を見られることもなく、いろいろな人に相談したり比較検討する時間を持てました。

転職はスピードが命ではありますが、金銭的にも時間的にも追い詰められないことが大事だと思います。



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