薬剤師の求人先選び:クリニックの注意点は?



薬剤師が医療チームの一員として活躍できるのがクリニックの仕事です。

クリニックでの勤務は医師や看護師などと情報を共有しながら仕事ができる、カルテを読む能力がつくことなどからキャリアアップができる職場として人気があります。

魅力の多いクリニックの仕事ですが、求人先選びではどんな点に注意すればいいのでしょうか?

クリニックでの薬剤師の仕事内容や求人の特徴などと合わせてまとめてみました。


クリニックとは?

クリニックとは病床がゼロで入院施設(病棟)を持たない、もしくは病床が19以下の診療所を指します。

医療法ではクリニックという名称はなく、一般的に診療所の別称として使われているものです。

よく街中などで見かける「○○クリニック」というのは、正式には「○○診療所」ということになります。

病院との違い

病院の定義は医療法で「病床20床以上の入院施設を持つ」とされています。

一方、クリニックは「無床または19床以下のもの」です。

つまり内科や外科などの診療科目とは関係なく、病床の有無や数によって病院かクリニックかが決まるというわけです。


クリニック薬剤師の仕事内容は?



クリニックで働く薬剤師の仕事は調剤や服薬指導などがメインです。

以下にその内容を詳しく見ていきましょう。

<調剤業務>
外来の患者さんにお渡しする薬の調剤を行ないます。診察後、院内薬局に処方箋が届いたらカルテを参考に調剤します。疑義があれば医師に直接質問することができます。調剤ができたら窓口で患者さんにお渡しします。


<服薬指導>
院内の薬局窓口で患者さんに調剤した薬を渡す際、服用時間・回数・量などの基本的な情報を伝えます。

ほかに保管方法や副作用、飲み合わせなどについて説明する場合もあります。薬についての患者さんの質問に答えるのも薬剤師の仕事です。


<薬剤の発注と在庫管理>
クリニックで必要とする薬の在庫を確認して不足分を業者に発注します。

保管場所をチェックし、期限の近い薬剤を優先して使えるよう整理することもあります。特に先に使ってほしい薬があれば医師や看護師に連絡します。


<薬歴管理>
患者さんが服用する薬剤に重複投与がないように、患者さんごとに医薬品の服用歴を作成して管理します。

服用歴の主な内容は、処方した薬の種類・量・期間・効果や副作用などの情報です。

この薬歴があると服薬指導や副作用防止に役立つためです。


以上がクリニックの薬剤師の主な仕事内容です。

ほかにもスタッフ会議で新薬や感染情報などを伝えたり、新規薬剤の採用に関して製薬会社とコミュニケーションを取るなどの業務を行なうこともあります。


クリニック薬剤師の仕事内容は病院薬剤師に似ていますが、業務範囲は病院より狭いケースが一般的です。

入院患者のいる病院では、製剤や注射調剤、点滴調剤、化学療法の調剤などの業務が多いためです。

<関連記事>:転職体験談(35):二人体制で休みづらい薬局からの転職


薬剤師、クリニック求人の特徴は?



薬剤師のクリニック求人の特徴は、正社員の募集が最も多いという点です。

以下の表をご覧ください。

これは薬剤師の病院とクリニックの求人件数を雇用形態別にまとめたものです。

病院の求人数 クリニック求人
正社員 3,419 132
パート 1,009 52
派遣社員 65 4
契約社員 50 2

クリニック求人で最も多いのは正社員で、次いでパートという順になっています。

派遣社員や契約社員の募集はほとんどありません。

この傾向は病院薬剤師の求人とほぼ似ていますが、大きく異なっているのは求人件数が極端に少ないという部分です。

病院より少ないクリニック求人

薬剤師のクリニック求人は正社員・パートとも、病院薬剤師の求人と比べるとごくわずかです。

クリニックで薬剤師の仕事をしたいと考えても、求人先を見つけるのは狭き門といえるようです。

派遣社員・契約社員の求人はゼロに近いと考えていいでしょう。


同じクリニック求人でもパートに比べると正社員のほうが多いという状況です。

クリニックの求人先を探すなら、パートや派遣・契約社員ではなく正社員がねらい目です。


<クリニック薬剤師の給与は?>
クリニックに勤務する薬剤師の給与は年収で350~500万円程度が相場です。

薬剤師全体の平均年収は530万円程度ですから、平均より低めと考えておいたほうがいいでしょう。

ちなみに調剤薬局勤務の年収は400~650万円、ドラッグストアは400~750万円で、最も高いのは企業勤務の平均600万円となっています。


<パート時給はいくらぐらい?>
一方、クリニックのパート時給は2000円前後が相場で、こちらは薬剤師の平均時給1980円と同レベルの金額です。

時給に関していうと調剤薬局やドラッグストアとの差は見られません。

ただしパート時給は都市部より地方のほうが高いという傾向があります。ただ、クリニックのパート求人自体が僅少なので探すのは難しいかもしれません。


薬剤師のクリニックへの転職の注意点は?



クリニックの仕事はやりがいやキャリアアップ、スキルアップといった面でも人気です。

その一方で転職を考える際に注意しなければならない点もあります。

<関連記事>:病院薬剤師へ転職する前に知っておきたいことは?


求人数が圧倒的に少ない

クリニック薬剤師の求人はごくわずかで、ほかの求人先に比べると圧倒的に少ないというのが現状です。薬剤師の正社員求人で最も多いのは調剤薬局ですが、次が病院、ドラッグストア、企業、クリニックという順になります。

例えば調剤薬局の求人数を100とすると病院は15、ストアは14、企業は3、クリニックは0.5程度の比率です。この比率からも分かるように、クリニックの求人先を探すのはかなり困難といえるでしょう。クリニックへの転職を考えているなら、求人先探しにひと工夫が必要になるでしょう。

数が少ないクリニックの求人を探す場合、薬剤師専門の転職支援会社を活用するといいかもしれません。登録は無料ですから、2~3社に登録しておくと求人を早く見つけることができますよ。

病院薬剤師より業務範囲が狭い

クリニックで薬剤師として働く前に知っておきたいのが、病院薬剤師と比較すると業務範囲は狭いという点です。スキルアップを目指している場合、業務範囲が狭いとなかなか結果につながりにくいという問題点があるので注意してください。

薬剤師としての知識やスキルを上げてキャリアアップしたいなら、クリニックよりも病院薬剤師への転職を考えたほうが早道になる場合もあります。ただし、クリニックにはクリニックならではの良さもあるので一概にどちらが良いかは比較できにくいでしょう。


病院薬剤師は外来だけでなく病棟の患者さんの製剤を行なったり、勤務先によっては治験業務を任されるケースも見られます。そうした業務に関心がなければ、クリニック求人に絞るという方法がベターです。

クリニックは経験者が優遇される

クリニックの薬剤師求人はごくわずかなので、求人募集に応募しても未経験者は採用されにくいという問題もあります。1~2名程度の求人に多数の応募者があると、経営側が経験者を優先してしまうためです。

薬剤師資格は持っているが仕事は未経験という人はもちろん、調剤薬局やドラッグストアの経験はあるがクリニックは初めてという人でも採用にこぎ着けるのはむずかしい場合が多いのです。

未経験でもOKというクリニック求人の傾向としては、東京都内など大都市部で人手不足のクリニックか、都市部やかなり地方で交通の便の悪い地域のクリニックが多くなっています。経験を得るために、こうした求人先で勤務してみるというのもひとつの方法でしょう。


クリニック薬剤師の求人先はごくわずかなため、就職・転職は狭き門であることは事実です。とはいえ、クリニック求人もゼロというわけではないので可能性は十分にあります。そこで提案したいのが、薬剤師専門の転職支援会社を利用するという方法です。

薬剤師転職支援会社は一般に公開されない求人(いわゆる非公開求人)の案件をたくさん持っています。転職会社に登録することで、非公開求人の紹介をしてもらえるので活用しない手はありません。

<薬剤師の求人先選び:クリニックの注意点は?のまとめ>

  • クリニックは病床がゼロまたは病床19以下の診療所
  • 主な仕事は調剤、服薬指導、薬剤・薬歴管理など
  • 薬剤師のクリニック求人はごくわずかで狭き門状態である
  • 給与の相場は年収350~500万円、時給2000円前後
  • スキルアップだけを考えるなら、病院の方が有利かも

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